動物園のパンダが、食事している光景を見ることがありますが、パンダが食べているのはなんでしょうか。
多くの人は「笹」と答えるでしょう。
しかし、ほとんどは「竹」を食べています。
では、この「笹」と「竹」とはどういう意味なのでしょうか。
「たけのこ」も含めるとその違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「竹」と「笹」と「たけのこ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「竹」とは?
「竹」とは、イネ科の植物で、京都の竹林や、お正月の門松でおなじみの太くて固い茎を持ちます。
この茎の部分は昔から建材や工芸品、日用品などに加工されて使われてきました。
それは茎の部分が固くて、節があり、丈夫であるのが理由ですが、逆に加工するのが困難という欠点もあります。
「竹」が「草」か「木」かという議論は古くから多く行われてきましたが、いまのところは他のイネ科の植物と同様に「草」であるとの認識が多数となっています。
英語では「bamboo」と呼ばれています。
「笹」とは?
「笹」とは、イネ科の植物で、「竹」に比べると茎が細いものが多く、葉がたくさんあるのが特徴です。
「竹」と違って茎の部分を覆っている「葉鞘」と呼ばれる鞘状のものが成長してもそのまま残っています。
この部分が将来の葉になります。
「笹の葉さらさら」の歌のように、葉の部分が入れ物や工芸品に使われることが多く、これは葉に殺菌作用があることが大きな要因です。
英語では「bamboo」と認識されることも多いですが、一応「sasa」という単語もあります。
「たけのこ」とは?
「たけのこ」とは「筍」や「竹の子」とも書くように、「竹の子供」、すなわち若芽のことで、植物としての分類学上は「竹」になります。
春の食材として昔から重宝され、焼き物や煮物の材料として多く使われます。
また、「メンマ」として、ラーメンの具として使われるのも「たけのこ」です。
英語では「bamboo sprout」と呼ばれます。
「竹」と「笹」と「たけのこ」の違い
「竹」と「笹」と「たけのこ」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは同じような葉を持つイネ科の植物の名称ですが、厳密には違います。
すなわち、「竹」と「笹」は植物としての分類上では違う種類のものとして定義されています。
大きな違いは茎を覆っている「葉鞘」と呼ばれる鞘状のものが成長すると落ちるのが「竹」で、落ちないのが「笹」です。
そして、「たけのこ」は、そのうちの「竹」の方の若い芽のことを指す言葉です。
「笹」の若い芽のことを「笹たけのこ」と呼ぶ場合もあります。
まとめ
この記事では、「竹」と「笹」と「たけのこ」の違いを説明してきました。
パンダが食べるものを「笹」であると認識している人が多いのは、一般的な印象として「竹」はお正月に飾る門松に使われているような太い幹の部分のことをいうものだという固定観念があるからでしょう。
パンダがあの硬い部分を食べるとは思えないので、柔らかそうな「笹」の方をイメージしてしまうのでしょう。
しかし、実際のパンダは主に「竹」の葉を食べますが、茎の部分も食べるのです。