ものや人、労力などに対し用いられる「消耗」と「劣化」と「消費」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「消耗」と「劣化」と「消費」の違いを分かりやすく説明していきます。
「消耗」とは?
「消耗」とは、何かを使って減らすこと、また、使って減ることを意味します。
その何かは、ものだけではなく人間にも用いることができ、人間の体力や気力を使い果たすことも「消耗」と言います。
何かものを使えば、そのものは擦り減っていきます。
それが「消耗」です。
また、それは、人間の体力や気力も同様です。
一生懸命何かに取り組むこと、努力することで、人間の体力や気力はすり減り「消耗」します。
「消耗」の例文
・『私は、トイレットペーパーなどの消耗品を買いだめしないと落ち着きません』
・『孫は可愛いけれど、一日一緒にいると気力も体力も消耗してしまいます』
「劣化」とは?
「劣化」とは、衰え、その機能が低下することを意味します。
ものに対し用いられる「劣化」には、その性能や品質などが低下し以前よりも劣ってくるといった意味となります。
また、この「劣化」は人間にも用いられ、年齢を重ねることで、起こる肌の衰えなどに対しても「劣化」という言葉が用いられます。
「劣化」の例文
・『突然、家電が壊れ驚いたものの10年前に購入した家電ということで経年劣化のため壊れたと言われ、納得するしかありませんでした』
・『年齢とともに肌の劣化が止まらず、どうしたらよいものかと悩んでいます』
「消費」とは?
「消費」とは、使ってなくすことを意味します。
その使ってなくすものは、お金や時間、エネルギー、物質など幅広く用いることができます。
そのほか、人間が欲望を満たすために、お金やサービスを使うことも意味する言葉です。
「消費」の場合、人間が自分が望む欲望を満たすために何かを使ってなくすといった意味が強い言葉となります。
「消費」の例文
・『思った通りに作業が進まず、時間ばかりが消費してしまっています』
・『経済を回すためには、適度な消費が必要です』
「消耗」と「劣化」と「消費」の違い
「消耗」は、ものなどを使って減らすこと、体力や気力を使い果たすことを意味します。
次に「劣化」は、性能や品質が低下し以前よりも劣ってくることを意味します。
そして、「消費」は、使ってなくすことを意味し、「消耗」と近い意味となるものの、「消費」の場合、人間が持つ欲望を満たすためにお金などを使ってなくすことを意味する言葉となります。
このように、「消耗」と「消費」は近い関係にあるものの、それらの言葉が含むニュアンスに少し違いがあります。
まとめ
このように「劣化」だけは、少し異なった意味を持つ言葉となります。
「劣化」の場合、以前よりも劣るだけで目に見えて何かが減っていくということではありません。
それに対し、「消耗」と「消費」は、目に見える、実感することができる、といった形で減っていくものとなります。