「追尾」と「追従」と「追随」の違いとは?分かりやすく解釈

「追尾」と「追従」と「追随」の違い生活・教育

違いがわかりにくく混同しやすい表現として「追尾」「追従」「追随」があります。

この言葉はどのようなき順で使い分ければいいのでしょうか。

今回は、「追尾」「追従」「追随」の違いについて解説します。

「追尾」とは?

「追尾」とは、「相手から離れることなく後を追いかけていくこと」を意味する言葉です。

・一般的に「追尾」という言葉は「引き離そうとしている相手に対し離されまいとしてピッタリと後についていくこと」という意味合いで使われます。

「追尾」される相手は敵対する相手や競争相手など自分と利害関係にあることが多く、相手に対して不利益をもたらすために後を追っていく様子を指す言葉として使われます。

あいては「追尾」に対して振り切ろうとする態度をとりますが振り切られまいとする側との間で争いに発展することもよくあります。


「追尾」の例文

・『戦闘機をミサイルが追尾する』
・『所属不明の飛行物体をレーダーで追尾する』


「追従」とは?

「追従」とは、「他人の言葉におとなしく従うこと」を意味する言葉です。

指示を聞いたり命令通りに動いたりなど「他人の言いなりになってその通りに行動すること」を指して「追従」と表現します。

基本的には自分より上の立場の人や権力者の言葉に従うことを意味する言葉で、自分の考えを持つことなく人の言葉通りに動くことを指します。

「追従」という表現には「他人の言葉に唯々諾々と従っている」というやや侮蔑的なニュアンスが含まれています。

あまりいい意味では使われず上の言うことに疑問も持たずただ従っているだけの様子を快く思っていないときに使われる表現です。

「追従」の例文

・『大名は将軍の言葉に追従するだけだった』
・『勝ち馬に追従するだけの風見鶏は信用できない』

「追随」とは

「追随」とは、「先行するもののあとに続くこと」という意味の言葉です。

「先を行くものに対し何とかして追い付こうと後を追う様子」を指して「追随」と表現します。

物理的に移動している人の後を追うのではなく業績や成果などを出した優れたものの後に続くのが「追随」です。

「追随」の対象となるのは先駆者やナンバーワンなどでありライバル関係にはあるものの敵対しているわけではなく、先を行くものに追い付き追い越したい考えている場合に用いられる表現です。

「追随」の例文

・『業界トップの企業でありながら積極的に投資してライバルの追随を許さない』
・『業界の第一人者に追随して研究を進める』

「追尾」と「追従」と「追随」の違い

「追尾」「追従」「追随」はどれも後を追う様子を表す言葉です。

それぞれの違いは「追うものと追われるものの関係性」です。

「追尾」は追うものと追われるものの利益が相反する敵対関係にある場合に用いられ、前を行くものを止めたり不利益をもたらすために行われる後追い行為を指します。

「追従」は追うものと追われるものの間に上下関係が存在します。

先を行く上の者の後を下のものがついていく様子を表し両者の間にあるのは支配と非支配の関係です。

「追随」は前を行くものに追いつき追い越したい者が追いかける様子を指す言葉で競争関係にはあっても特に敵対していない中立的な関係性で使われます。

まとめ

「追尾」「追従」「追随」はよく似た意味合いの言葉ですが関係性や目的によって使い分けられます。

誰がなんのために後を追っているのかに注目してふさわしい言葉を選んでください。