「低迷」と「停滞」と「低調」の違いとは?分かりやすく解釈

「低迷」と「停滞」と「低調」の違い生活・教育

「物事の進み具合や状態が思わしくないこと」を表現するときに「低迷」なのか「停滞」なのか「低調」なのかで迷った経験はないでしょうか?

いずれも同じようで違うような言葉に感じますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「低迷」「停滞」「低調」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「低迷(ていめい)」の意味とは?

「低迷」とは、「低く漂うこと」「悪い状態から抜け出せないでいること」を意味する言葉です。


「低迷」を使った例文

・『今朝、窓を眺めてみたら灰色の雲が低迷していた』
・『インターネットの普及と共に、テレビ番組の需要は低迷しているようだ』
・『赤字経営に改善の兆しが見られないことから、この会社の株価は低迷したままだ』


「停滞(ていたい)」の意味とは?

「停滞」とは、「ある場所にとどまって、動かないこと」「物事の進捗が良くないこと」を意味する言葉です。

「停」という字は「停(と)まる」という意味の他、「とどまる」「滞る」などの意味を含んでいます。

「滞」という字は「滞(とどこお)る」という意味の他、「とどまる」「はかどらない」という意味を含みます。

「停滞」を使った例文

・『発達した雨雲は日本海で停滞していると報じられていた』
・『システムトラブルが原因で、復旧までの間、作業が停滞してしまった』
・『長引く経済不況と共に、会社の経営状態は停滞期を抜け出せずにいる』

「低調(ていちょう)」の意味とは?

「低調」には以下の意味があります。

「内容が乏しく、薄っぺらいこと、そのさま」「調子が悪いこと、そのさま」「仕事の進捗が良くないこと、そのさま」「盛り上がりがないこと」「面白みに欠けること」「音の調子が低いこと、その調子」「調」という字は「調(しら)べる」という意味の他、「様子」「状態」「(音の)しらべ」「リズム」という意味が含まれます。

「低調」を使った例文

・『最近の彼の作品はどれも捻りがなく、低調なものばかりだ』
・『競合他社に顧客を奪われたせいか、営業成績が低調気味となっている』
・『期待に反して、映画は終始低調なままでエンディングを迎えてしまった』

まとめ

「低迷」「停滞」「低調」はいずれも複数の意味を持つ言葉であり、そのうちの1つに「物事などの進捗が良くないこと」が含まれています。

そのため、「物事の進捗が良くないこと」「悪い状態のままでいること」などの意味を指す場合、3語は類義語の関係に当たると言えるでしょう。

したがって、「経済は低迷している」「経済は停滞している」「経済は低調である」という表現は、言い回しは異なりますが、いずれも「経済状態が良くないこと」を意味しています。

一方で、「低迷」には「低く漂うこと」「停滞」には「とどまって動かないこと」「低調」には「内容が乏しいこと」「盛り上がりがないこと」など、それぞれ別の意味も含んでいるため、文脈から意味を使い分けるように注意しましょう。