この記事では、「累計」と「合計」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「累計」と「合計」の違い
類似した意味を持ち間違いやすい「累計」と「合計」ですが、実際には明確な違いがあります。
「累計」の「累」には、重ねて積んでいくことといった意味があります。
そして、「合計」の「合」には、いくつかのものを合わせまとめるといった意味があります。
この漢字の違いが、そのまま、「累計」と「合計」の違いとなります。
計算式で表すと、「累計」の場合は、A+Bの次は(A+B)+Cとなり、その次は(A+B+C)+Dとなっていきます。
一方、「合計」の場合は、A+B=Cといった計算式となります。
このように、「累計」の場合は、次へ次へと重なるもの。
そして、「合計」はまとめて合わせたものといった意味となります。
「累計」と「合計」の使い方の違い
積み重なっていく意味となる「累計」。
単純に足し算する、増えていくといった意味となる「合計」。
そのため、使い方にも違いがあります。
積み重ねた際に用いる「累計」。
そのため、「累計発行部数」など積み重なったものの際に用いられます。
一方、「合計」の場合は、「合計金額」といったように単純に足し算した結果を示す際に用いられます。
この使い方の違いが、「累計」と「合計」の大きな違いとなります。
「累計」と「合計」の英語表記の違い
「累計」の英語表記は、totalです。
日本語としても用いられることが多いtotal。
トータルコストといった感じでよく用いられています。
「累計する」は、to cumulate a totalとなります。
「合計」の英語表記は、total amount; sum total; aggregateです。
「合計する」は、add [sum] up、total。
「合計〇〇になる」は、total〇〇、add [make] up to○○となります。
「累計」の意味
「累計」は、部分ごとの小計を順次に加えて合計を出すことといった意味となり、部分ごとに数字を積み重ねていくこと、段階的に積み重ね足し算を繰り返した結果といった意味となります。
積み重ねる、重ねるといった意味の「累」に計算するといった意味の「計」が加わり、部分ごとの小計を順次に加えて合計を出すことといった意味となります。
「累計」の使い方
「累計」の使い方として注意が必要なのは、あくまでも、積み重ねた結果であるということです。
例えば、「年間累計」の場合、1月から12月までの積み重なった数字を指すものとなります。
また、「累計発行部数」も、今まで発行されたすべて積み重なった数字を意味します。
このような意味を踏まえ、「累計」の使い方には、「累計金額」、「売り上げの累計」、「販売台数の累計」、「データの累計」などがあります。
「累計」を使った例文
・『○○の累計発行部数が最高を記録した。』
・『売り上げの累計をデータ化し、今後の売り上げアップにつなげていきたい。』
・『販売台数の累計が予想を大幅に上回った。』
・『毎月は少額でも、累計するとかなりの出費となる我が家の外食費。』
「累計」の類語
「累計」の合計を決定する意味としての類語には、通算、合計、総計、累算、集計、通計、合算トータルなどがあります。
「累計」の対義語
「累計」の対義語には、全体の中のある部分の合計を出すことを意味する「小計」があります。
「合計」の意味
二つ以上の数値を合わせまとめること。
また、そのようにして出した数を意味する「合計」。
「合計」の場合、「累計」とは異なり、計算する際も単純に足し算するだけのものとなります。
「合計」の「合」は、足すこと、一緒にすること、合わせることといった意味があり、その「合」に計算するといった意味を持つ「計」が付け加えられ「合計」という言葉となります。
「合計」の使い方
「合計」の使い方としては、単純に足し算されたものに使用するものとなります。
例えば、「合計金額」、「合計点数」、年齢別出生率を合計した指標となる「合計特殊出生率」などとなります。
「合計」を使った例文
・『同僚10人での外食の合計金額に驚いた。』
・『5教科のテストの合計得点の目標を立てる。』
・『今日の飲み会は合計金額を人数で割ることにした。』
・『運動会の合計点数がなかなか発表されない。』
「合計」の類語
「合計」の類語には、数を結合することにより増大するといった意味を持つ、プラス、足し加える、寄せる、併せる、足す、足加える、加える、併す、加算、合算などがあります。
「合計」の対義語
「合計」の対義語は、「累計」の対義語と同様、全体の中のある部分の合計を出すことを意味する「小計」です。
まとめ
以上が「累計」と「合計」の違いです。
「累計」は、部分ごとに段階的に積み重ねる計算となり、「合計」は、2つ以上の数を合わせた計算となります。
この違いがわかれば、正しい使い分けが可能な「累計」と「合計」となります。