自らについてを表現する言葉というのは欧米の言語と比べてみると日本語では意外にも多く存在しています。
この記事では「自分」と「自身」と「自己」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自分」とは
これは大きく2つの意味があります。
まず最も使われるのは『一人称の人代名詞としての役割』です。
つまり、『わたし』や『わたくし』に代わるものです。
例えば『これはだれがやったのですか?』という問いかけに対して『わたしがやりました』という表現の代わりに『自分がやりました』ということもできます。
もう一つは『その人そのもの』を表す場合です。
これを反射代名詞と言います。
例えば反省の弁などを述べるときに『自分を省みます』という言葉を使うと思いますが、これは『おのれ』、『自ら』という意味になります。
‐「自分」の例文
・『お手間をお掛けすることになりますので、自分が伺いたいと思います』
・『君はさっき自分でそう述べたではないか』
「自身」とは
これも2つの意味を大きく持っている言葉です。
まず『自らそのもの、その人そのもの』を指し示す意味としての用法です。
『私が自身でしでかしたことだ』の様な形で使われます。
もう一つの意味は少し特殊ですが、『他の何物でもなく、それ自らの意志を持って強調される意味で使われる』用法です。
何かそれそのものを文中や話中で強調したいときに使われます。
例えば『親が気を付けないといけない』という文があり、親を強調したいときに『親自身が気を付けないといけない』という形で表現をします。
「自身」の例文
・『不平不満ばかり吐くのではなく、あなた自身で解決法を考えなさい』
・『この挑戦は自分自身で決めたことなのです』
「自己」とは
これは『その人から見た自分』を指す言葉です。
ポイントは『その人から』という部分であり、イメージは鏡で自らを見ている様子です。
例えば『自己啓発本』というジャンルがありますが、これは『読んでいる人からみた自分そのものを啓発する本』という意味があります。
もちろん分の中でもつかうことができ、例えば『自己の利益を図る』という場合は『利益を図る人その人自身からみたもの』という意味で捉えることができるのです。
「自己」の例文
・『自己を否定し続けることは何もいい影響を生まない』
・『人生は自己と対話をする時間がたまには必要だ』
「自分」と「自身」と「自己」の違い
それぞれ『その人そのもの』、『強調としての意味』、『その人から見た自分』という違いをつけることができます。
『本人』、『強調』、『反射』という短いイメージを付けることもできるのではないでしょうか。
3つに共通する意味は『みずから』という部分がある為ややこしいですが、是非工夫して違いを付けてみてください。
まとめ
如何でしたでしょうか。
どの言葉も日常的に使っている所為もあり違いを付けようとすると戸惑われるかもしれません。
是非今回の内容を頭に入れてイメージを強めてそれぞれの言葉の使い方をマスターしてみてください。