挨拶は振り返ると様々な形態が存在しています。
特に礼に関する言葉や作法に関しては様々なものがあります。
今回は代表的な3つについてご紹介致します。
この記事では「お辞儀」と「会釈」と「黙礼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お辞儀」とは
この言葉の意味は『頭を下げて礼をすることや挨拶を指す一般的な言葉』をです。
少し脱線するとその昔は『遠慮』したり『辞退』をするときにもこの表現を使っている記録のある言葉です。
もともとは『辞儀』という言葉に『お』を付けた美化語です。
ポイントとしては『頭を下げて礼をする』という部分にあります。
これはつまり、頭の下げ方に対しては全く規定やルールがないということを表しています。
ご存じの様に我々は場所や場合、挨拶をする対象によって頭の下げ方に違いがあります。
例えば『敬礼』や『最敬礼』などでは下げる頭の角度や目線に違いが存在しており、これらは社会人のマナー教室などで学んだことがある方も多いのではないでしょうか。
「お辞儀」の例文
・『丁寧なお辞儀の仕方だとほめられた子供は嬉しそうだった』
・『相手の目線に合わせる為に腰をかがめてお辞儀をした』
「会釈」とは
この単語は『軽く頭を下げて挨拶や礼を交わすこと』です。
もともとは仏教用語からきており、混乱した内容の前後照合を行い、意味が通じる様にする意味を表す表現に『和会通釈』という言葉があります。
これが省略されて現在の『会釈』という形になりました。
いわゆる『お辞儀』の一種であり、現在のビジネスシーンにおける解釈としては目上や親しい人間などに対して日常的に挨拶をするために行う軽いものになっています。
下げる頭の角度は約15度程度であり、目線はだいたい相手の胸元や腰当たりを軽く見るような形になります。
『お辞儀』の中でも一番カジュアルなものであり、どのようなシーンであっても見かけることのできるものです。
「会釈」の例文
・『山田さんはにっこりと笑いながら会釈をした』
・『知り合いを見かけたので軽く会釈をした』
「黙礼」とは
この単語は『無言で黙って挨拶をすること』です。
この言葉のポイントとしては言葉を挙げないが、挨拶の動作については限定されていないという部分にあります。
様々な場面において言葉を発しはしないものの敬意などを表現する場面は多く存在しています。
例えばお葬式などでは声を出して挨拶をするのは適切ではない場合があります。
この場合に使われる挨拶が『黙礼』です。
「黙礼」の例文
・『彼はお世話になった先生の霊前で涙を流しながら黙礼をしていた』
・『遺族に対して社長は黙礼をした』
「お辞儀」と「会釈」と「黙礼」の違い
それぞれ『広い意味での挨拶』、『軽く頭を下げて行う挨拶』、『言葉を発しないで行う挨拶』という区別をつけることができます。
『お辞儀』は一番広い意味であり、それ以外の『会釈』と『黙礼』は『お辞儀』の厳密な種類ともいうことができます。
また、『会釈』は言葉を発しても発しなくても頭を軽く下げる作法に対してフォーカスされていますが、『黙礼』は言葉を発しないという部分に重点を置いている言葉であるのも違いを付ける為のポイントです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
挨拶は社会的な生活を営み、他人との関係を円滑にするために編み出された人間の知恵です。
是非この機会にそれぞれの『お辞儀』の仕方について違いを確認し使い分けるようにしてみましょう。