生きとし生けるものはみないつかは必ず『死』を迎えます。
その状態を表す言葉は多く存在しますが今回はニュアンスが微妙に違う単語3つをご紹介致します。
この記事では「死骸」と「亡骸」と「遺骸」の違いを分かりやすく説明していきます。
「死骸」とは
この言葉の意味は『人以外の生き物が死んだ姿、死体』を指します。
ポイントとしては『人以外』という部分にあります。
主に野生動物や昆虫などが死んだ姿に対して使う言葉であり、人間やペットに対してつかうことはありません。
やや微妙な線引きではありますが、人やペットが亡くなった場合はその存在を敬意をもって扱う為、『死骸』という言葉はとても乱暴な使い方になってしまいます。
一般的な表現としては『殺虫剤で処理をしたゴキブリの死骸を処理した』などのように使います。
ドラマやアニメなどで人外のキャラクターが人間を卑下する形で『この一帯を人間の死骸で埋め尽くしてやる』などの様な表現をすることはありますが、現実にはとても敬意を欠いた表現になることは覚えておきましょう。
「死骸」の例文
・『定期的に路上にある野生動物の死骸を処理する』
・『寝具に付着しているダニの死骸がアレルギーの原因になることもある』
「亡骸」とは
この単語は『主に亡くなった人間の体に対して敬意をもって使う言葉』です。
ペットなどの様に愛着を持って関係を持っていた人間以外の動物に対しても使うことのできる言葉でもあります。
表現方法としては話し言葉として使われはするものの、文学的な表現として見かけることが一般的な表現でもあります。
『遺体』という言葉が通常使われますが、『亡骸』も敬意をもっている言葉であることに違いはありません。
例えば『母の亡骸にすがって泣き崩れる』の様な表現をします。
「亡骸」の例文
・『父の亡骸を彼の故郷である田舎の山に葬った』
・『大事故による被害者の亡骸が遺族のもとにそれぞれ帰った』
「遺骸」とは
この単語も『主に亡くなった人間の体に対して敬意をもって使う言葉』です。
この単語もペットなどに対して使うことができます。
ポイントとして覚えておきたいのはこの単語もフォーマルな話し言葉として使われはするものの書き言葉としての使われるのが一般的なものであることです。
「遺骸」の例文
・『父の遺骸を引き取って手厚く葬った』
・『ペットの遺骸を丁重に扱うとても丁寧な葬儀業者だった』
「死骸」と「亡骸」と「遺骸」の違い
それぞれ『主に人間以外の死体に使う言葉』、『主に人間やペットに使う文学的な表現』、『主に人間やペットに使う書き言葉としての表現』という区別をつけることができます。
『死骸』という言葉は動物や昆虫に使われることが多いので、死体の状態もアあまりきれいではない印象を与えてしまうという点も区別をつけるときに覚えておきたい部分でもあります。
まとめ
如何でしたでしょうか。
一般的に使う表現としては『死体』や『遺体』ですが、それ以外にもさまざまな表現方法がお分かりいただけたのではないでしょうか。
『死』はとても丁重に扱う必要のあるセンシティブなものです。
是非適材適所で言葉を使える様に違いについて理解をしておきましょう。