「機転が利くこと」や「能力が優れていること」を表現するとき「才覚」か「才気」か「才知」かで迷った経験はないでしょうか?
この記事では、「才覚」と「才気」と「才知」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「才覚(さいかく)」の意味とは?
「才覚」には以下の意味があります。
・「優れた知恵の働き」、「機転を利かせて物事に対応したり、処理する能力」、「機転や才知がある様」
・「工夫をすること」
・「工面すること」、「苦心して金品を調達すること」
・「学識」、「学問の力」
上記のように、「才覚」には複数の意味が含まれますが、「才覚ある人」のようにもっぱら「優れた知恵の働き」や「機転や才知がある様」という意味を指す名詞として使われます。
「工夫をすること」や「工面をすること」の意味で使う場合は、「才覚する」のような動詞となりますが、この形で用いられることは比較的少ないようです。
「才」という字には「生まれつきの能力」や「能力の優れた人」、「頭脳の働き」などの意味が含まれます。
「覚」という字は「覚(おぼ)える」や「覚(さ)める」とも書き、「記憶する」や「気づく」、「目がさめる」の他、「さとる」や「道理を知る」という意味が含まれます。
「才覚」を使った例文
・『あの人は若い頃から才覚に恵まれ、後に政治家となった』
・(工夫をすることの意味で)『季節に合わせて、提供するメニューを才覚する』
・(工面をすることの意味で)『経営悪化の影響で、会社の運転資金を才覚することに奔走した』
「才気(さいき)」の意味とは?
「才気」とは、「機転を利かせ、物事に対して巧みに対応する知的能力」や「才知の優れた働き」を意味する言葉です。
「才気」を使った例文
・『才気にあふれる若者たちへ、激励の言葉を送った』
・『彼は周囲の期待通りに才気を発揮し、大きな功績を残した』
・『才気に乏しいことから、彼に対する評価は著しく低いようだ』
「才知(さいち)」の意味とは?
「才知」とは「才能と知恵」という意味の言葉です。
「才能」とは「生まれ持った優れた能力」を指し、「知恵」とは「物事に対して、正しい判断を下し、正しく対応する能力」を指します。
「才知」を使った例文
・『彼女は才知に富んでいたことから、瞬く間に成功を収めた』
・『直面する問題に対して、才知を働かせて処理する必要がある』
・『幼くして師匠に才知を見出されたことが、彼の人生の大きな転機となった』
まとめ
「才覚」と「才気」と「才知」の違い 「才覚」と「才気」はいずれも「優れた才知の働き」や「才知がある様」を指した言葉です。
一方、「才知」とは「才能と知恵」のことであり、「知恵」の意味に「才覚」や「才気」が含まれるという解釈もあるようです。
そのことから、「才覚」・「才気」・「才知」はお互いに意味を包括し合っており、いずれも「物事を正しく判断し、適切な対応や処理を下すことができる優れた頭脳の働き」を表した類義語と言えます。