日本語には、ある言葉の前にひとこと付け加えて内容を分かりやすくしたりその言葉を強調したりする役割を持つものがあります。
その中に、「どうせ」「どのみち」「いずれにしても」という言葉がありますが、これらの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「どうせ」と「どのみち」と「いずれにしても」の違いを分かりやすく説明していきます。
「どうせ」とは?
「どうせ」とは、あきらめの気持ちを表現する時に使う言葉で、「どうにせよ」からの変化した言葉です。
品詞のひとつで、他の言葉を詳しく説明する副詞に該当する言葉になります。
「どうせ」は、主に否定的な言葉の前に入れて使われるもので、否定的な所にさらにあきらめの気持ちを加えます。
ただ、時にはあきらめの気持ちから開き直りの気持ちへ繋げるような使われ方をする場合があります。
「どうせ」の例文
・『どうせこの試合には勝てない』
・『俺が意見を言った所で、どうせ馬鹿にされるだけだ』
・『どうせ勝てないのなら思い切りやろう』
「どのみち」とは?
「どのみち」とは、どのような経過をたどっても結果は同じになるといった意味の言葉です。
品詞のひとつで、他の言葉を詳しく説明する副詞に該当する言葉になります。
一般的に、悪い結果が予測される場面で使われることが多く、あきらめの気持ちが含まれる言葉です。
「どの道を辿っても」という所からの「どのみち」になります。
「どのみち」の例文
・『手術してもしなくても、どのみち助からないということか』
・『どのみち捕まってしまうのなら、隠れても無駄だ』
「いずれにしても」とは?
「いずれにしても」とは、どの選択肢を選んだとしても結果は同じになるといった意味の言葉です。
品詞のひとつで、他の言葉を詳しく説明する副詞に該当する言葉になります。
結果が同じになるという意味合いでは、先に述べた「どのみち」と同じですが、「いずれにしても」はある程度選択肢が絞り込まれている状況で使われる言葉になります。
「どれにしても」「どれを選んでも」ということです。
「いずれにしても」の例文
・『いずれにしても前進するしかない』
・『いずれにしても謝罪会見は開いたほうがいいだろう』
「どうせ」と「どのみち」と「いずれにしても」の違い
「どうせ」とは、「あきらめの気持ちを表現した言葉」になります。
「どのみち」とは、「どのような経過をたどっても結果は同じであること」を意味した言葉になります。
「いずれにしても」とは、「どの選択肢を選んでも結果は同じであること」を意味した言葉になります。
傾向としては、「どうせ」「どのみち」は消極的な気持ちを表すことが多く、「いずれにしても」は積極的な気持ちを表すことが多い言葉です。
まとめ
「どうせ」と「どのみち」と「いずれにしても」の違いについて述べてきましたがご理解いただけましたでしょうか。
日本語はひと言付け加えるだけで大きく意味が変わってしまう言葉があるので注意が必要です。
この記事の内容がみなさんのお役に立てるなら幸いです。