この記事では、「性格」と「性質」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「性格」と「性質」の違い
「性格」には、2つの意味があります。
1つめは、やること・感じること・考えることなど、その人に現れる特有の傾向です。
もう一つは、特定の物事に目立ってみられる傾向のことです。
「性質」にも、2つの意味があります。
1つめは、持って生まれた気質のことです。
もう一つは、その物事に備わっている特性のことです。
「性格」の場合は、特定の傾向を意味しており、「性質」の場合は、気質や特性のことを意味している点が違います。
「性質」は持って生まれたもので、後から作られるものではありません。
一方、考え方・感じ方・行動などは、その人が育った環境などによって作られていきます。
もともと備わっていたものではありません。
「性格」と「性質」の使い方の違い
人それぞれ、ほがらか、怒りっぽい、せっかちなど、行動などに特定の傾向があります。
こういった傾向を指して「性格」という言葉が使用されます。
「性質」は、「性格」と使われ方が似ていますが、その人がもともと持っている気質について使用をします。
生まれたときから、のんびりしている人がいたとしたら、そのことは「のんびりした性質」ということができます。
「性質」は物事にも使うことができます。
もともと物事が持っている特徴の意味です。
「性格」も物事に使うことができますが、この場合はあるものと異なる点を強調する使い方をします。
「性格」と「性質」の英語表記の違い
「性格」は英語で、人については“character”や“personality”と表記をし、物事については“nature”と表記をします。
「性質」は英語で“nature”や“disposition”と表記をします。
「性格」の意味
「性格」には、2つの意味があります。
1つめは、やること・感じること・考えることなどに現れる、その人に特有の傾向のことです。
普段から悪いことばかり考えてしまう、自分には無理だと思ってしまうような傾向は、ネガティブといいます。
その人が普段からネガティブな傾向であれば、「ネガティブな性格」ということができます。
これは、考え方についての傾向です。
もう一つの意味は、特定の物事に目立ってみられる傾向のことです。
「2つの問題の性格は異なる」のような使われ方をし、この場合は、一方の問題が持っている傾向ともう一方の問題が持っている傾向が違うことを意味しています。
「性格」の使い方
特に人の行動・感情・考え方などについて使われることが多い言葉です。
「楽天的な性格」のような使われ方をし、この場合は物事にくよくよしないで明るく考える傾向のことを意味しています。
これは考え方の傾向についてです。
「きつい性格」というと、言いたいことをはっきり言う、冷ややかな態度を取ることが多いといったような人であることが想像されます。
これは行動についての傾向です。
「性格」を使った例文
・『性格が合わないことを理由に別れる』
・『彼の性格を考えて発言をする』
・『内向的な性格の人』
・『兄と弟の性格は正反対』
・『結婚相手に求めることは性格の一致』
「性格」の類語
「性質」「キャラクター」が類語です。
「キャラクター」は、その人の特徴的な持ち味の意味があります。
また、アニメ、小説、映画などに登場する人物や役柄の意味もあります。
「性格」の対義語
対義語はありません。
「性質」の意味
「性質」には、2つの意味があります。
1つめは、持って生まれた気質のことです。
「気質」には、気性という意味があります。
「気性」とは、生まれつきの性質のことです。
些細なことで癇癪を起こす、いつもニコニコとしている、好奇心が旺盛で何にでも手を伸ばすなど、赤ちゃんにもいろいろな気質があります。
これらは生まれ持っているもので、持って生まれた気質のことを「性質」といいます。
もう一つの意味は、物事にもともと備わっている特徴のことです。
メモ帳や新聞紙などの紙は、火をつけるとすぐに燃えてしまいます。
これは紙がもともと持っている特徴で、このことを「燃えやすい性質」ということができます。
「性質」の使い方
持って生まれた気質、もともと持っている特徴を指す場合に使用をします。
人についても、物事についても使える言葉です。
物事については、そのものが本来持っている特徴を指して使用します。
「性質」を使った例文
・『ビタミンCは水に溶けやすい性質がある』
・『彼は怒りっぽい性質だ』
・『ダンボールの性質をうまく利用する』
・『性質を理解する』
・『人を和ませる性質がある』
「性質」の類語
「性格」「キャラクター」が類語です。
「性質」の対義語
対義語はありません。
まとめ
2つの言葉は人については同じような使われ方をしていますが、意味は異なる言葉です。