「日本列島」や「小笠原諸島」など、島国の日本に住んでいると「列島」・「群島」・「諸島」という言葉は身近で馴染み深いものだと思います。
しかし、実は違いや使い分けがハッキリ分からないという方もいるのではないでしょうか? この記事では、「列島」と「群島」と「諸島」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「列島(れっとう)」とは?
「列島」とは、「細長い列をなすように連なっている島々」を指します。
「列島」の例
・日本列島
・五島列島(長崎県)
・トカラ列島(鹿児島県)
・宮古列島(沖縄県)
・アリューシャン列島(アメリカ)
・ラタック列島(マーシャル諸島共和国)
・ラリック列島(マーシャル諸島共和国)
「群島(ぐんとう)」とは?
「群島」とは、「一定の区域内に多く群がっている島々」を指します。
地理学においては、後述する「諸島」の旧称でした。
「群島」の例
・家島群島(兵庫県)
・安芸群島(広島県)
・熊毛群島(山口県)
・魚島群島(愛媛県)
・男女群島(長崎県)
・奄美群島(鹿児島県)
「諸島(しょとう)」とは?
「諸島」とは、「一定の区域内に散在している多くの島々」を指します。
「諸島」の例
・小笠原諸島(東京都)
・志摩諸島(三重県)
・隠岐諸島(島根県)
・玄海諸島(佐賀県)
・壱岐諸島(長崎県)
・尖閣諸島(沖縄県)
・ガラパゴス諸島(エクアドル)
・チャネル諸島(イギリス)
・ハワイ諸島(アメリカ)
・フィリピン諸島(フィリピン)
「諸島」の中の「列島」・「群島」・「諸島」
日本の「西南諸島」のように、「諸島」の中に複数の「列島」・「群島」・「諸島」が含まれるケースがあります。
鹿児島県の「薩南諸島」には、「大隅諸島」、「トカラ列島」、「奄美群島」が含まれま、沖縄県の「琉球諸島」には「沖縄諸島」と「先島諸島」が含まれます。
さらには、「沖縄諸島」と「先島諸島」にも複数の「列島」や「諸島」が含まれているのです。
「群島」と「諸島」
「群島」と「諸島」にまつわる話として、鹿児島県の「奄美群島」や北方領土の「歯舞群島」があります。
以前は、「奄美群島」も「歯舞群島」も国土地理院が作る地図などでは、「奄美諸島」・「歯舞諸島」と表記されていました。
しかし、一方で海上保安庁など一部では「群島」という表現を用いていました。
こうした事情から、紛らわしいので統一してほしいとの現地の人々の要望を受け、「奄美群島」・「歯舞群島」とそれぞれ地名が統一されることになったのです。
まとめ
「列島」と「群島」と「諸島」の違い ・「列島」とは、「細長い列をなすように連なっている島々」を指します。
・「群島」とは、「一定の区域内に多く群がっている島々」を指します。
・「諸島」とは、「一定の区域内に散在している多くの島々」を指します。
ただし、実のところ、「列島」・「群島」・「諸島」に明確な学術的定義はされていないようです。