この記事では、「組織」と「集団」と「団体」の違いを分かりやすく説明していきます。
この3語は全て「人の集まり」を指しますが、詳細な意味が異なりますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「組織」とは?
「組織」とは、「共通の目的」があり、さらに個々の構成員の「役割や機能」がはっきりとしている「集団」のことを指します。
共通の目的を達成するために、個々の構成員や部署の「役割や機能」が決まっており、何らかの手段で統制されている集団、あるいはそのシステムのことです。
例としては、「企業」や「自治体」、「警察」、「軍隊」、「組合」などがあります。
目的を持つ「集団」であるという点で、「組織」と後述の「団体」は共通していますが、「組織」は構成員が何らかの専門的な「役割や機能」を担い、「組織」の活動のために、全体の仕事を分割して個々人に割り当てる「分業」し、分割され個々人に割り当てられた仕事を統合して全体の仕事として完成させる「調整」するメカニズムを持っていなければいけないという定義があります。
なお、「組織」では全体の統制をとるために各セクションに「リーダー」と「部下」という役割が存在し、ピラミッド型の上下体制が敷かれることが一般的です。
「集団」とは?
「集団」とは、不特定多数の人たちが集まった状態を指します。
特に何人以上でれば「集団」であるという定義は存在せず、複数の人が集まっている状況がわかればいいということから、主観的に決まりやすい傾向にあります。
そのため、「集団」というのは意図せずに生まれている可能性があり、日常生活のいろいろなところで目にする現象です。
例としては、ラーメン屋さんに並んでいる「行列」や電車の「乗客」、「地域住民」など、特に共通の目的を持たない人の集まりであっても「集団」となります。
一方、前述の「組織」や後述の「団体」など「共通の目的」を持つ人の集まりも「集団」に含むため、「集団」は人が集まっている状態の「全般」であると言えます。
「団体」とは?
「団体」とは、「共通の目的」のもとに集まった「集団」のことを指します。
前述の「集団」同様にはっきりとした人数の定義などはありません。
また、法的には「団体」というと社団や財団などの意味を持ちますが、一般的には複数の人が「共通の目的」によって集まっていれば、「団体」と言えます。
例えば、「宗教団体」や「格闘技団体」などがあります。
「役割や機能」は定めていてもいなくても「団体」と言えるため、「組織」は「団体」の中に含まれるものと言えます。
なお、特殊な例として、個人サークルなど1人だけでも便宜上「団体」として認められるケースもあります。
「組織」と「集団」と「団体」の違い
まず、「組織」は複数の人が集まっている状態「全般」を指すのに対し、「組織」と「団体」は「共通の目的」を持って集まった人たちだけのことを指します。
次に「組織」と「団体」の違いについては、「組織」は個々の構成員の「役割や機能」が決まっており、「分業」、「調整」するものですが、「団体」にはそのような決まりはない点が違います。
まとめ
「組織」と「集団」と「団体」についてまとめると以下となります。
・「組織」は「共通の目的」のために構成員の「役割や機能」が決まっており、「分業」、「調整」する「集団」を指します。
・「集団」は複数の人の集まり「全般」を指します。
・「団体」は「共通の目的」のために集まった「集団」を指します。