「法務省」と「裁判所」と「法務局」の違いとは?分かりやすく解釈

「法務省」と「裁判所」と「法務局」の違いとは?生活・教育

日本では、三権分立が成立していますが、その三権とは「立法」「行政」「司法」です。

これらは権限であるとともに、義務であり、それぞれの仕事に従事している人たちは他の2つの権限に立ち入ることはできないようになっています。

例えば、「司法」を行う組織である「裁判所」は国会の議論や内閣の方針に口を出すのは越権行為ということになります。

ここで使用した「裁判所」という言葉はどういう意味でしょうか。

また、関連する言葉に「法務省」「法務局」がありますが、これらの違いは何でしょうか。

この記事では、「法務省」「裁判所」「法務局」の違いを分かりやすく説明していきます。

「法務省」とは?

「法務省」とは、最高責任者として法務大臣を擁する国の行政機関の一つで、法律に関連する国の運営業務を担当しています。

主な内容としては、刑務所や拘置所などの管理運営、検察庁の管理、出入国管理などです。

以前の組織である「司法省」の時には「裁判所」も管理対象でしたが、三権分立によって「裁判所」は独立した組織になりました。

英語では、「Ministry of Justice」と言います。


「裁判所」とは?

「裁判所」とは、「裁判を行うための組織」です。

司法機関として、法律に基づいて争いを解決するのが主な役割です。

内部組織としては、「最高裁判所」を頂点に、裁判に対する不服申立てを担当する「高等裁判所」と地方での裁判を受け持つ「地方裁判所」、特殊な裁判を扱う「家庭裁判所」「簡易裁判所」があります。

業務を行う責任者は司法試験に合格した裁判官で、事務官がサポートします。

英語では、「Court」です。


「法務局」とは?

「法務局」とは、法律に関連する行政の業務を行う「法務省」の下部組織であり、地方での業務を担当します。

内容としては、登記、戸籍、国籍などに関連するものが主要な業務です。

高等検察庁に合わせて全国に8箇所あり、それ以外の都道府県には「地方法務局」が設置されています。

英語では、「Legal Affairs Bureau」と言います。

「法務省」と「裁判所」と「法務局」の違い

「法務省」「裁判所」「法務局」の違いを、分かりやすく解説します。

これらの言葉は、「法律に関係がある業務を行っている組織」のことを表すという意味では同じですが、根本的な違いがあります。

そもそも、「法務省」「法務局」が内閣を中心とした行政機関であるのに対して、「裁判所」「法を司る」司法の機関であるということです。

ここは重要な違いです。

さらに、「法務局」「法務省」の地方部局であり、「法務省」の中で担当する地区に関する業務を行う組織です。

この関係は「警察庁」の中で東京の地方業務を担当する「警視庁」と同じです。

「警視庁」「局」ではなく「庁」なのは規模の大きさによるものです。

まとめ

この記事では、「法務省」「裁判所」「法務局」の違いを説明してきました。

序文で述べてように、日本においては三件分立が国の根幹と言っても良いでしょう。

そのような中で、「裁判所」「法務省」を混同して考えることは、最もやってはいけないことなのです。

同じように、一般の国会議員が行政に関与することも間違っていますが、国会議員が国の事業の入札で特定の企業に便宜を図ったというニュースも聞きます。

私たちにとっては、このような不正には選挙で対抗するしかありません。