消し去るという意味の言葉は、いくつかあります。
パソコンで文書作成をしていると、文書を「削除」することがあるでしょう。
「削除」に似た意味の他の言葉との使い分けは完璧でしょうか。
類似した言葉も適切に理解したい所です。
この記事では、「削除」と「消除」と「消去」の違いを分かりやすく説明していきます。
「削除」とは?
「削除」は、書いてある文書上の文言や、データを取り除くことです。
主に部分的に文言を消すことを「削除」と言います。
パソコンやスマートフォンで、画像を「削除」しても、データのバックアップを取っていれば文書や画像を元に戻すことができるので、完全に消し去ったわけではないです。
完全に消し去ることを「消去」と言います。
「消去」の場合は、消し去ったデータを元に戻すことはできないので、間違って重要なデータを「消去」しないよう注意が必要です。
「削除」の例文
・『閲覧履歴のキャッシュを削除し、スマートフォンの動きを軽くする』
キャッシュとは、閲覧履歴などのデータを端末内に保存し、次回同じページを開く時、素早く開けるようデータの蓄積をしているものです。
キャッシュを削除すると、スマートフォンの重い動きが改善することがあります。
蓄積した不要なキャッシュのこまめな削除が、快適な端末の動きを可能にするでしょう。
・『文書を誤って削除してしまったが、保存していないので再びファイルを開き直し再開することができた』
パソコンでは一度削除してもゴミ箱に格納されるため、ゴミ箱内のデータを消し去らない限り元に戻すことができます。
「消除」とは?
あまり聞き慣れない言葉に「消除」があります。
これは、「削除」に似てはいますが、「削除」と違い、完全に消し去ることを言います。
「削除」の「削」という漢字には、「減らす」や「除く」などマイナスにすることを言いますが、「消除」の「消」には「消す」など完全な無にする意味が込められています。
その為、「消除」は登録や権利などを「なくす」意味があるのです。
住民票など行政機関における登録をなくすとき、「消除」が使われることがあります。
「消除」の例文
・『職権消除をされると、住所不定になってしまう』
行方不明者が出た場合、「職権消除」の申請を家族がすることにより、住所の登録がなくなることになります。
見つかった人は、新たに住所を登録しなければなりません。
・『本人が亡くなったので、宅地建物取引士の登録の消除申請をする』
宅地建物取引士の不正行為があった場合には、「登録消除処分」がなされます。
「消去」とは?
「消去」は、消えてなくなってしまうことであり、パソコン内等のデータを完全に消すことを言います。
「削除」が減らすのに対し「消去」は、ゼロの無の状態にします。
データを「消去」し処分することで、端末を廃棄しても情報が流出しにくいようになります。
「消去」の例文
・『ハードディスクのデータを消去してから、パソコンを廃棄しましょう』
パソコンを廃棄する際には、情報が外部に漏れないよう、データの消去が必要です。
復元できないような状態にして処分するのが望ましいとされています。
・『データ消去ソフトは性能の良いものを選ばなくてはならない』
パソコン上で初期化をしても、ハードディスク内に残る情報がある為、データ消去ソフトを別に購入し、端末を処分する際に個人情報を守ることが求められています。
「削除」と「消除」と「消去」の違い
「削除」はデータや書いた文章を減らし、除くことで、「消除」はあまり見ない単語ですが、使用される場合、行政機関等での登録を消し去ることです。
「消去」はデータや画像などを消し去ることです。
「消去」すると、元には戻りません。
まとめ
パソコンを使っていると、「削除」や「消去」という言葉を目にする機会は多いでしょう。
「削除」であればゴミ箱から取り出すことができる可能性がありますが、一度「消去」したデータを戻すのは難しいでしょう。
間違わずにデータを管理したいものです。