この記事では、「隠居」と「隠遁」と「引退」の違いを分かりやすく説明していきます。
「隠居」とは?
「隠居」は「いんきょ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「あらゆる職業や任務から離れて静かに暮らすこと」という意味で、全ての役割をやめて平穏に暮らすことを言います。
2つ目は「俗世を離れて、遠い山野に隠れ住むこと」という意味で、人の多い場所から人気のない場所に隠れて住むことを言います。
3つ目は「江戸時代の刑罰の一つで、当主の地位を退かせて、子孫にすべて譲渡させること」という意味です。
上記に共通するのは「職務から遠ざかる」という意味です。
「隠居」の使い方
「隠居」は名詞として「隠居する・した」と使われたり、副詞として「隠居して」と使われたりします。
基本的に、仕事など人との関りから離れて、静かに暮らす様子に使われる言葉です。
「隠居」の例文
・『彼は社長職を息子に譲って隠居したらしい』
「隠遁」とは?
「隠遁」は「いんとん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「俗世間から逃げる様に隠れて住むこと」という意味で、賑やかな場所から離れて隠れる様にして暮らすことを言います。
2つ目は「人との関りを断って隠れ住むこと」という意味で、人とぼ関りを断ち、隠れる様にして暮らすことを言います。
上記に共通するのは「隠れ住む」という意味です。
「隠遁」の使い方
「隠遁」は名詞として「隠遁する・した」と使われたり、副詞として「隠遁して」と使われたりします。
基本的に、人のいる場所や人間関係から離れて、隠れ住む様子に使われる言葉です。
「隠遁」の例文
・『彼は隠遁生活を送っている偏屈な小説家だ』
「引退」とは?
「引退」は「いんたい」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「現在の役職や地位を辞めること」という意味で、自分で決断して今の身分から退くことを言います。
2つ目は「スポーツや芸能界などで現役を辞めること」という意味で、自分の年齢や能力などを考えて、現役を辞めることを言います。
上記に共通するのは「身を引く」という意味です。
「引退」の使い方
「引退」は名詞として動詞を伴い「引退する・した」と使われたり、副詞として「引退して」と使われたりします。
基本的に、自分で決断して現在の職務や地位を辞めることに使われる言葉です。
「引退」の例文
・『彼女はアイドルを引退することを決めた』
「隠居」と「隠遁」と「引退」の違い
「隠居」は「仕事など人との関りから離れて、静かに暮らす様子」という意味です。
「隠遁」は「人のいる場所や人間関係から離れて、隠れ住む様子」という意味です。
「引退」は「自分で決断して現在の職務や地位を辞めること」という意味です。
まとめ
今回は「隠居」と「隠遁」と「引退」について紹介しました。
「隠居」は「全て辞めて静かに暮らす」、「隠遁」は「隠れて暮らす」、「引退」は「自ら身を引く」と覚えておきましょう。