「常識」と「良識」と「見識」
いずれも似たような言葉に感じますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「常識」と「良識」と「見識」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「常識(じょうしき)」の意味とは?
「常識」とは、「社会上、一般の人たちが共通に持つ、持つべきものとされる知識や意見、判断力、価値観」を意味する言葉です。
「常識」は国や社会によって異なり、また時代や世相によって移り変わるものであるため、「常識」のズレにより「文化摩擦」などが起きる場合があります。
「常識」を使った例文
・『ビジネスでは報告・連絡・相談することが常識とされている』
・『常識にとらわれないアイデアが変革をもたらしてきた』
・『彼の常識のない言動に、周囲は困惑せざるを得なかった』
「良識(りょうしき)」の意味とは?
「良識」とは、「物事に対する偏りのなり健全な考え方や判断力」を意味する言葉です。
フランス語の“bon sens”=「ボン・サンス」の訳語ともされています。
「良識」を使った例文
・『彼の良識に基づいた判断が後に評価されることになった』
・『良識のない企業の対応は、瞬く間に批判を招いてしまった』
・『混乱した状況に置かれたときこそ、個々の良識ある行動が求められる』
「見識(けんしき)」の意味とは?
「見識」とは、
・「物事の本質をとらえ、深い見通しに基づく優れた判断力」や「物事に対する確かな考えや意見、価値観」
・「気位(きぐらい)」、「見栄」
を意味する言葉です。
ちなみに、語順を入れ替えた「識見(しきけん/しっけん)」という言葉は類語であり、「物事を正しく見分ける力」や「優れた意見」という意味を持ちます。
「見識」を使った例文
・『先生の見識の深さには、思わず感銘を受けた』
・『見識の広さを買われて、彼はリーダーに抜擢されたようだ』
・『プライドが高い故に、見識を張った物言いが周囲の反感を買ってしまった』
「常識」と「良識」と「見識」の違い
「常識」は「社会通念上、個々人が共通して備えておくべきもの、備えていて当然のもの」のように、世間一般における最低限の知識や判断力などの意味合いで用いられます。
一方、「良識」は「健全性や公平性に基づいた正しい判断力」を意味し、「常識」の上位概念とする解釈もあるようです。
「見識」も「良識」と似たような意味を持ちますが、「見識」は健全性や公平性よりも、「(知識や経験に基づいた)正しい判断力や優れた考え」という意味合いを含めて用いられることが多いようです。
まとめ
・「常識」とは「社会上、一般の人たちが共通に持つ、持つべきものとされる知識や意見、判断力、価値観」を意味する言葉です。
・「良識」とは「物事に対する偏りのなり健全な考え方や判断力」を意味する言葉です。
・「見識」とは「物事の本質をとらえ、深い見通しに基づく優れた判断力」や「物事に対する確かな考えや意見、価値観」「気位(きぐらい)」、「見栄」を意味する言葉です。