この記事では、「差別」と「区別」と「分別」の違いを分かりやすく説明していきます。
この3語は概ね「ものを別ける」という意味では共通していますが、その後の扱いや別け方に違いがありますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「差別」とは?
「差別」とは、「種類」や「違い」によってものを別け、「扱いに差」を設けることです。
客観的に評価できる優劣や順位など正当な違いによって扱いが変わることでもありますが、主に観測者の偏見や好み、感情など、主観的で平等性に欠ける根拠によって、「不当な差」をつけるといったネガティブな意味で用いられる場合が大半です。
「差別」の言葉としての意味は上記の通りですが、実際の人間社会では、「差別」に値する行為かどうかはする側とされる側それぞれの主観や感情に大きく依存するため、後述の「区別」と別けることが困難となり、しばしば混同されることもあります。
用例としては「女性にだけ家事を強いるのは差別だ」、「白人は黒人に対して差別的意識を持っている」などです。
「区別」とは?
「区別」とは、「違い」によってものを別けること「全般」です。
前述の「差別」と違い、ものの「違い」によって分けた後、扱いに「不当な差」をつけるのではなく、平等な視点で単純にものの「種類」や「性質」などの「違い」を別ける際に用います。
また、同じ「種類」同士の中でも「大きさ」や「状態」などの「違い」を見つけて分けていく際にも用いられます。
なお、「区別」は「違い」そのものを指す場合もあります。
用例としては「大きいリンゴと小さいリンゴを区別して梱包してください」、「最近のおもちゃは本物と区別がつきませんね」などです。
「分別」とは?
「分別」とは、ものの「種類」や「性質」によって「グループに」別けることです。
大きさや「状態」などの「違い」ではなく、「種類」や「性質」によって別ける際に用いられます。
ただし、「種類」が異なることも「違い」の一つなので、「分別」は前述の「区別」に含まれます。
用例としては「燃えるゴミと燃えないゴミは分別して捨ててください」、「リンゴとバナナは分別して一か所に集めてください」などです。
「差別」と「区別」と「分別」の違い
まず、「差別」はものの「種類」や「違い」によって「不当な差」をつけることを指すのに対し、「区別」と「分別」は平等な視点で単に別けることを指します。
次に「区別」と「分別」の違いについては、「区別」がものの「違い」によって別けること「全般」を指すのに対し、「分別」は「種類」や「性質」によって「グループに」別けるという点が違います。
まとめ
「差別」と「区別」と「分別」についてまとめると以下となります。
・「差別」はものの「違い」によって「不当な差」をつけることです。
・「区別」はものの「違い」によって別けること「全般」です。
・「分別」はものの「種類」や「性質」によって「グループに」別けることです。