「愚者」と「愚人」と「愚物」の違いとは?分かりやすく解釈

「愚者」と「愚人」と「愚物」の違いとは?生活・教育

この記事では、「愚者」「愚人」「愚物」の違いを分かりやすく説明していきます。

どれも「愚」という漢字を使い、同じ言葉の意味がありますが、少しずつ違っています。

普段意識しないようでも、きちんとした意味を知ることで、正しい日本語を使っていきましょう。

「愚者」とは?

「愚者」「ぐしゃ」と読みます。

意味は愚か者という意味です。

愚かという言葉は、頭の動きが鈍いこと、考えが足りない、未熟という意味があります。

「愚か」という形容詞のあとに「者」と続くので、愚かな者を示す名詞です。


「愚者」の例文

・『愚者も千慮に一得あり(ぐしゃもせんりょにいっとくあり)』 引用・慣用句 愚かな人間でも、たくさんの考えの中にはひとつはいい考えがある、という意味です。

・『己惚れは心卑しい愚者だけの持つものだろうか。』引用・織田作之助 「僕の読書法」


「愚人」とは?

「愚人」も同じく、愚かな人、愚か者という意味です。

読み方は二種類あり、「ぐじん」「ぐにん」と読みます。

こちらも、「愚か」+「人」なので、愚かな人を表す名詞です。

「愚人」の例文

・『愚人は夏の虫』引用・ 慣用句 愚かな人は、自分から危ない場所や状況に飛び込んでいく様子をあらわしています。

・『閑人と思うのは、思う方が閑人である、でなければ愚人である。』引用・夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」

「愚物」とは?

「愚物」「ぐぶつ」と読みます。

「愚か」+「物」なので、「愚かな」「物」つまり、これまでの上の二つと違い、「人間」の抽象的な意味にもつかえます。

「愚物」の例文

・『あれは愚物だとか、無口なあなたらしくもなく、ずいぶんつまらぬお喋りをはじめます。』引用・太宰治「きりぎりす」
・『三男の蟹は愚物だったから、蟹よりほかのものになれなかった。』引用・ 芥川竜之介 猿蟹合戦

「愚者」と「愚人」と「愚物」の違い

どれも同じような意味ですが、「愚者」「愚人」「愚物」では少しずつ使われる場面が違います。

「愚者」は慣用句からみると、「愚かな人でも」、と一般的な使われ方をしています。

「者」という言葉が、いろいろな人を示しているので、特定的ではありません。

「愚人」はどちらかというと誰か特定の意味で多く使われているようです。

そこには、自虐的な意味も含めて、「私は愚人なので・・・」といった使われ方もあります。

「愚物」は、「愚者」「愚人」よりももう少し対象が広く、物事や人物を評価するという意味が含まれています。

それぞれ同じ言葉の意味がではありますが、少しずつ使用対象によってニュアンスが違います。

まとめ

「愚者」「愚人」「愚物」は、もともと漢語から発生した言葉です。

現在は話し言葉で使うことはほとんどありません。

文語体として使われています。

どれも他人を評価する言葉ですが、自虐的な言葉として使われることもあります。

細かい違いですが、きちんと意味を知って使えると、ワンランクアップした日本語を使うことができます。