この記事では、「信念」と「プライド」と「誇り」の違いを分かりやすく説明します。
「信念」とは?
ある思想や教理などを固く信じて揺るがない心を表す言葉です。
主観的な思いで、必ずしも客観的に正しさを実証できるものではありません。
「信念」の例文
・不利な状況に陥っても、正しいと信じる道を貫き通し、信念に殉じた顕著な例として、戦後間もない昭和二十二年、ヤミ米の流通を禁じる食糧管理法違反事件の審理を担当した山口良忠裁判官が、自ら法を犯してはならないと、僅かな配給と自ら栽培した芋だけを口にして過ごし、栄養失調で死亡した例があります。
・命を賭してまで守るべき信念がある人は、幸いであるか、狂人であるか、悪法と雖も守るべきか、法改正の為に行動を起こすべきであったか、客観的には判断が分かれるところであり、現在でも時折、議論される事件です。
「プライド」とは?
英語の綴りは“pride”で、「誇り」「矜持」「自負心」「自尊心」などと訳されます。
自己の能力や業績、存在そのものなどに自信を持ち、他者からその優越性などを正当な高さで評価されることを望む気持ちを表します。
「プライド」の例文
・猫などの動物にも一定のプライドがあり、タンスに飛び上がり損ねた姿を笑うと、いじけて物陰から出てこなくなったり、ストレスの転位行動として、過剰な毛繕いで皮膚炎を起こすなど、二次障害を起こす場合がある為、猫が相手でも失敗を嘲笑してはいけません。
・実力に見合わない過剰なプライドは、往々にして周囲の反感を買い、世渡りの障碍になりますが、全くプライドのない態度で過ごすことも周囲に侮られ、却って不利益を被る場合がある為、実力に見合った適度なプライドは必要です。
「誇り」とは
何かを自慢に思い、自ら名誉とする感情を表す言葉です。
「誇り」の例文
・我が子の優秀さを誇りに思い、難関校の合格を熱望するあまり、お受験を過熱させる親は、幼児教室や学習塾などで子供の自由時間を奪い、負担を増やす傾向がありますが、その先にその子自身の幸福があるか、時折、立ち止まって考える必要があります。
・ゲームなどでは、「騎士の誇り」が心理状態の概念ではなく、武器など実体を具備する物体のアイテムや、必殺技の一種として登場することがあります。
「信念」と「プライド」と「誇り」の違い
信念とは、ある思想や教理などの正しさを固く信じて揺るがない心で、主観的なものなので、客観的にみると間違いや愚かな思い込みと看做されることもあります。
プライドは、誇り、矜持、自負心、自尊心などと訳される英単語“pride”です。
誇りは、何かを自慢に思い、名誉とする感情ですが、その個人のみに属することだけでなく、一家や職場、階級、民族、国家など、その人物が所属する団体などにも適用される感情です。
まとめ
間違った思い込みに基づく信念を覆すことは容易ではなく、そこにはプライドや誇りが伴う為、間違いを指摘する際、相手を否定し、僅かでも嘲る態度を見せれば、却って頑なになります。