人は他人から自分の欠点を指摘されると嫌な気持ちになることがほとんどでしょう。
しかし、自分が成長するためには、むしろ歓迎されるべきかもしれません。
この指摘行為に関する言葉で「非難」「批判」「批評」などの言葉があるのですが、どのような意味があるのでしょうか? この記事では、「非難」と「批判」と「批評」の違いを分かりやすく説明していきます。
「非難」とは?
「非難」は「ひなん」という読み方になりますが、「欠点・過ちなどを責めて咎める(とがめる{こと」という意味を持つ言葉です。
「非難」の例文
「非難」の例文を見ると、以下のような文章があります。
・『彼の不誠実な態度が多くの社員から非難された』
・『彼女にブログに非難が殺到している』
「批判」とは?
「ひはん」と読む「批判」は「良い所・悪い所を明確に見分けて評価・判定すること」「物事に検討を加えて、判定・評価すること」などの意味を持っています。
特に「人の言動や仕事などの欠点や間違いを指摘して正すべきと指摘すること」という意味合いが強調されています。
「批判」の例文
「批判」の例文は以下の通りです。
・『彼女は周りから批判を受けて落ち込んでいる』
・『政府を批判することは簡単だが、もっと政策論争をすべきだ』
「批評」とは
「ひひょう」と読む「批評」は、「良い点・悪い点を指摘して価値を決めること」ということを言っています。
「批評」の例文
「批評」の例文は次のようなものになります。
・『論文を批評することには時間がかかる』
・『この小説の批評はとても興味深いな』
「非難」と「批判」と「批評」の違い
ここで「非難」と「批判」と「批評」の違いを見て行きましょう。
「批判」は「物事の良し悪しをロジック的な観点で調べたり考えたりして判定すること」を指しており、「非難」は「相手の欠点や間違いなど悪い点を責め立てる」という意味合いを持っています。
このことから「批判」は「相手の誤りを指摘して改善させようとすること」ですが、「非難」は「相手の誤りを責めること」という理解になります。
ビジネスの場面では部下がミスをしてしまった時に上司に「間違っている点があるからここを修正した方がいい」を言うのが「批判」となり、「どうして簡単な間違いをするんだ」というのが「非難」になります。
責め立てる「非難」は人を委縮させるだけですが、誤りを正すために指摘する「批判」は、相手の成長を期待できる感じではないでしょうか。
また、「批判」は人を始め色々な物事に対して使えますが「非難」は人に限定されています。
「批評」は「物事の良し悪しや是非についてよく考えて評価し述べること」という意味から「批判」「批評」の解釈は非常に似ています。
但し、「批評」は「批判」は内包されている感じがあり、「批評」には物事の是非についての評価があるものの、判定・判断までは含まれていません。
まとめ
ここまで「非難」と「批判」と「批評」の意味や違いを説明してきました。
これらの言葉は人の間違いを指摘する際に使いますが、個々の解釈に微妙な違いがあるので、正確に押さえておきたいものです。