正しさを表す言葉は、日本語には色々な言葉があります。
例えば、「的確」「正確」「確実」これらの三語は、どれも物事の正しさに関する似た意味を持つ言葉ですが、使い分けは正しくできているでしょうか。
この記事では「的確」と「正確」と「確実」の違いを分かりやすく説明していきます。
「的確」とは?
「的確」は、英語で“accurate”と言い、的をはずさない細かな部分までの正確さのことを言います。
的というのは狭い範囲なので、細部まで狂いのない正しさです。
説明やアドバイスなどが的を得ているとき、「的確」を使います。
伝えたいことがぼやけておらず、クリアにピントの合うはっきりとした正しさです。
「的確」の例文
・『A先輩のアドバイスは的確だと好評を得ている』
的確な指示のできる上司がいると、具体的な仕事のイメージが付きやすくなり、生産的な環境になります。
・『災害が起こったとき、素早い対応と、的確な状況の把握が求められる』
緊急時の災害において、被害者をなるべく出さない為には、的確な判断力が必要とされます。
「正確」とは?
「正確」は、英語で“correct”と言い、こちらも的確と同じように、正しさを表す言葉ですが、「正確」は、時計の分針がぴったり時刻を表すような正しさです。
また、あらかじめ正解や基準があり、その例にきちんと当てはまったときに「正確だ」と表されます。
物量や山の高さなど数値的なものの測定が正しいときにも「正確」を使います。
「正確」の例文
・『感染症についての正確な情報を国民は求めている』
間違った情報が出回ると、人々は混乱してしまうので、正しい情報を見極める力を、私達は求められています。
・『会計帳簿を正確に計算しなくてはならない』
数値は正しく出すことが求められるので、正確という言葉がよく使われます。
「確実」とは?
「確実」は、英語で“certainty”と言い、確かなことを表します。
「正確」は数値や基準から外れのない正しさを表しますが、「確実」は「そうである」ことが確かであると表しています。
「正確な体温計」は、正しい数値を計ってくれる体温計を表しますが「確実な体温計」とは言いません。
「確実」には、あらかじめ決められた正しい数値を表す意味は含んでいないからです。
「確実」の例文
・『あの議員の当選は確実だ』
当選が確からしいとき「確実」を使います。
「当選は正確だ」とは言いません。
・『あなたには確実に伝えました』
伝言を伝えたという事実が確かなら、もし相手に正確に内容が伝わっていなかったとしても「確実に伝えた」となります。
この場合「正確に伝えた」とはなりません。
「的確」と「正確」と「確実」の違い
「的確」は、要点を捉え、的を得た正しさのことを表します。
「正確」は、時計などの数値の正確さ、元からある正解と合致している正しさを表していて、「確実」は、確かなことに間違いがないという意味です。
ですので、「このまま眠れなかったら明日は寝坊が確実だ」とは言いますが「寝坊が正確だ」とは言いません。
「確実」は「たしか」と言い換えられ「正確」は「正しい」と言い換えられるからです。
まとめ
上で説明してきた三語の使い分けができるようになると、言葉のバリエーションが増え、豊かな表現力が身につきそうです。
非常に似ているので難しいですが、少しの違いも認識できるようになると良いものです。