私たちが日常の会話の中で同じ読み方をする言葉がたくさんあります。
その中で「訴求」「遡求」「遡及」という言葉がありますが、どのような意味になるかご存知でしょうか?
「そきゅう」という読み方になりますが、どのような違いがあるのでしょう。
そこでこの記事では、「訴求」と「遡求」と「遡及」の違いを分かりやすく説明していきます。
「訴求」とは?
「訴求」は「宣伝・広告などで消費者が買う気を起こすよう訴えかけること」、「商品・サービスの特徴・利点をアピールすること」などの意味を持っています。
「訴求」の例文
「訴求」の例文は以下の通りです。
・『今回のネット広告は訴求効果が期待できる』
・『このプレゼン資料は訴求ポイントが良くまとまっていて理解しやすい』
「訴求」はビジネスの世界で新商品を発売するような場面で使われます。
「遡求」とは?
「遡求」は、「手形・小切手の支払いがされていない場合、あるいは支払いの可能性が低くなった時に、権利をもっている人・企業などが、振出人や裏書人などに対して代償として一定金額の支払いを請求すること」を指しています。
いわゆる「償還請求」ということです。
「遡求」の例文
「遡求」の例文は以下のようなものが挙げられますが、用途がかなり限定されている印象があります。
・『手形支払いがなされなかったので遡求した』
・『遡求によって過去の未払いを請求することにした』
「遡及」とは
「遡及」は「さかのぼって過去のことまで効力を及ぼすこと」という意味がある言葉です。
「遡及」の例文
「遡及」の例文は以下のようなものが挙げられます。
・『過去の実績を遡及したプラン』
・『せっかく契約したのに遡及的に効力を失った』
「訴求」と「遡求」と「遡及」の違い
では、ここで「訴求」と「遡求」と「遡及」の違いをみることにしましょう。
「訴求」は、「宣伝や広告などを活用することで消費者など買手側の欲求に働きかけること」という意味を持っていました。
消費者に製品のメリットを訴えて購入を求めることを言っているのです。
「訴える」+「求める」の2つの要素が組み合わさったのが「訴求」となります。
「遡求」は「さかのぼって追求すること」というニュアンスがあるのですが、「小切手の支払いを拒絶された時に誰が支払うかを裏書人や振出人などの担保責任者をさかのぼる」という意味となりますが、かなり限定的な場面での用途と言っていいでしょう。
「遡及」は「過去にさかのぼり影響や効力を及ぼすこと」という意味ですが、時間の流れにさからってさかのぼることを言っており、「過去に戻り影響を及ぼす」という解釈になるわけです。
まとめ
ここまで「訴求」と「遡求」と「遡及」の意味や違いを説明してきましたが、読み方がおなじだけに解釈も混同しがちになってしまいます。
正しい意味を理解することで、間違いのない使い方ができるように心がけておきたいものです。