石垣の積み方の中に、「野面積み」と「穴太積み」があります。
この記事では、「野面積み」と「穴太積み」の違いを分かりやすく説明していきます。
「野面積み」とは?
「野面積み(のづらづみ)」とは、自然のままの石を加工せずに、そのまま積み上げて、石垣を作って行く方法です。
「野面積み」は「野面積」とも表されます。
「野面積み」はそれぞれ形の違う不揃いの石を積み重ねるので、そこにどうしても隙間ができてしまいます。
そのため、敵に侵入されやすいというデメリットがありました。
ですが、その反面、頑丈で排水しやすいというメリットがありました。
「野面積み」は主として鎌倉から安土桃山時代(戦国時代)にかけて行われていた工法です。
日本国内の寺院や城郭の石垣に、この方法が使われていました。
「穴太積み」とは?
「穴太積み(あのうづみ)」とは、「野面積み」の俗称で、「穴太積」とも書きます。
「穴太積み」は穴太衆(あのうしゅう)が積み上げて作った石垣のことを指しています。
穴太衆とは戦国の世の安土桃山時代に活躍した石積みの職人たちのことを言います。
穴太衆は滋賀県の穴太(あのう)地区に暮らしていたところからこの名前が付けられました。
穴太衆が作る「穴太積み」された石垣は堅牢なだけではなく、見た目の美しさも高い評価を受けていました。
「野面積み」と「穴太積み」の違い
「野面積み」と「穴太積み」の違いを、分かりやすく解説します。
「野面積み」とは、自然のままの石を加工せずにそのまま積み上げて、石垣を作って行く方法を言います。
一方、「穴太積み」は穴太衆が積み上げて作った石垣のことで、「野面積み」の俗称です。
「野面積み」と「穴太積み」は同じ石垣の積み方ですが、「穴太積み」は穴太衆が手掛けていると言う点が違っています。
まとめ
「野面積み」は自然の形そのままの石を組み合わせて石垣を作って行く方法です。
自然にあるものをそのまま利用し、全体的に調和が取れることによって、そこに自然な美しさが生まれます。
中でも特に「穴太積み」が頑丈で見た目も美しいと称されたのには、やはり穴太衆と呼ばれる石垣職人たちの技術力だけではなく、自然と一体になったごく自然な動きがそこにあったのだと言えるでしょう。
機会があれば、または機会を作って、今も残っている「野面積み」や「穴太積み」された石垣を見に行ってみるのも良いでしょう。
実際に見てみることで、新たな驚きや発見があり、興味深く感じるかもしれません。
もし、「野面積み」や「穴太積み」を実際に目にすることができないとしても、写真や画像などで見るだけでも、その世界観を味わうことができるでしょう。
そこから何かを感じ取ったり、学ぶことができるかもしれません。
このような日本ならではの素晴らしい神業とも言える職人技は他にも数多くあります。
それらを絶やすことなく、現代でもしっかりと受け継ぎ、さらに後世にもしっかりと伝え続けていきたいものです。