この記事では、「市民」と「大衆」と「庶民」の違いを分かりやすく説明していきます。
我々にとっても身近であるこの3語は「階級」や「所属」によって意味する内容が異なりますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「市民」とは?
「市民」とは、都市などの自治体や地域の構成員です。
後述の「大衆」や「庶民」とは異なり、「身分の貴賤に関係なく」、その「地域や自治体に所属する」人々「全般」を指します。
なお、「市民」は「国民」と同様の意味として用いられる場合もありますが厳密には異なります。
「国民」は単にその国の国籍を持つものを指しますが「市民」は政治的主体としての構成員であることが前提です。
用例としては「この市の市民として市長の横暴は許せない」、「市民一丸となって治安の改善に臨もう」などです。
「大衆」とは?
「大衆」とは、社会の大多数を占める不特定「集団」のことです。
前述の「市民」と異なり、住む地域や自治体に関係なく、不特定な「集団」のことを指します。
また、集団のリーダーやエリートといった「特権階級の人々は含まず」、主に労働者や農民など一般の人々を指します。
なお、「大衆」は「突出した能力がない人々」というネガティブな意味でも用いられ、集団のリーダーやエリートといった特権階級の人々がそうでない人々を蔑む際にも用いられます。
用例としては「大衆はマスコミの情報に踊らされている」、「難しい話は大衆には理解できまい」などです。
「庶民」とは?
「庶民」とは、社会の大多数を占める普通の人々のことです。
前述の「大衆」とかなり近い意味を持ち、リーダーやエリートといった「特権階級ではない」人々を指し、住む「地域や自治体も関係なく」用いられる言葉です。
特徴としては、庶民は「集団」の中の1人1人の「個人」を指す意味合いで用いられます。
また、「庶民」は「大衆」と同様に「突出した能力がない人」というネガティブな意味でも用いられますが、逆に「一般的で健全な生活を送る人」というポジティブな意味でも用いられることが多い言葉です。
用例としては「1人の庶民には世の中は何も変えられないよ」、「市長は意外に庶民的な考えの持ち主だ」などです。
「市民」と「大衆」と「庶民」の違い
まず、「市民」は「身分の貴賤に関係なく」、「特定の自治体に所属する」人々「全般」を指すのに対し、「大衆」と「庶民」はリーダーやエリートといった「特権階級ではない人々」を指し、住む「地域や自治体も関係なく」用いられる言葉です。
次に「大衆」と「庶民」の違いについては、「大衆」が「集団」であるのに対し、庶民は1人1人の「個人」を指す点で異なります。
まとめ
「市民」と「大衆」と「庶民」についてまとめると以下となります。
・「市民」は「身分の貴賤に関係なく」、その「地域や自治体に所属する」人々「全般」のことです。
・「大衆」は住む「地域や自治体に関係なく」リーダーやエリートといった「特権階級ではない」「集団」のことです。
・「庶民」は住む「地域や自治体に関係なく」リーダーやエリートといった「特権階級ではない」「個人」のことです。