世の中にはたくさんの人がいて、その中で自分が生きている間に出会う人はごく一部です。
袖すり合うも他生の縁ということわざもありますが、人との出会いは大切にしたいものです。
ですが、時として、出会っても終わりを迎えてしまうこともあります。
そのような時に使われる言葉で「勘当」「離縁」「絶縁」というものがあります。
この記事では、「勘当」と「離縁」と「絶縁」の違いを分かりやすく説明していきます。
「勘当」【かんどう】とは?
「勘当」とは、家の主人、親、師匠といった立場の人が、主従関係、親子関係、師弟関係にあるものと縁を切って追い出すことを意味します。
「勘当」の言葉の使い方
一般的には、親が子に対し縁を切るといった時に、多く使います。
ただ、いきなり縁を切るということではなく、普段から素行が悪かったり品行不良であったりして、注意しても直らないといった場合に、ついに怒りが爆発して「勘当」ということになります。
ですが、実の親子には血の繋がりがあり、法的には、縁を切って親子関係を無くすことはできません。
「勘当」の例文
・『親でもなければ子でもない、お前とは勘当だ』
・『一番弟子に対し勘当を言い渡した』
「離縁」【りえん】とは?
「離縁」とは、夫婦関係、養親子関係を解消することを意味しています。
少々語弊があるかもしれませんが、人為的に家族になった者同士が、縁を切ることが「離縁」です。
「離縁」の言葉の使い方
「離縁」で別れることにはなりますが、決していがみ合って別れるばかりが「離縁」ではありません。
お互いが望んで納得の上、別れることを決意した時にも「離縁」という言葉は使われます。
「離縁」は、法的な効力を持っていて、縁を切って夫婦関係や養親子関係を無くすことができます。
「離縁」の例文
・『駆け落ちまでして結婚したが、結局離縁することとなった』
・『協議離縁により、養親子関係はなくなった』
「絶縁」【ぜつえん】とは?
「絶縁」とは、関係を断ち切ることを意味しています。
また、理科的には、電気や熱が通るのを遮断することも「絶縁」と言います。
電気や熱を通さない物体を「絶縁体」と言ったりします。
「絶縁」の言葉の使い方
血の繋がりや家族だけに限らず、友達関係など対象は幅広く汎用性の高い言葉です。
頻繁に会ったり連絡を取り合っていて近しい関係にあった人と、ある出来事をきっかけに付き合いを無くすこと表した言葉です。
「絶縁」の例文
・『昔は一緒に遊んでいたが、ある出来事をきっかけに彼とは絶縁状態だ』
・『絶縁することで、機械はスムーズに動くようになった』
「勘当」と「離縁」と「絶縁」の違い
「勘当」とは、「主従関係、親子関係、師弟関係にあるものと縁を切って追い出す」ことを意味しています。
法的な効力はありません。
「離縁」とは、「夫婦関係、養親子関係を解消」することです。
法的に効力を持っています。
「絶縁」とは、「近しい付き合いの関係を断ち切る」ことを意味します。
法的な効力はありません。
まとめ
「勘当」「離縁」「絶縁」について説明しましたが、出来ることならこのような事態にならないように生活したいものです。