「補完」と「補填」と「補充」
いずれも同じような意味の言葉に感じますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「補完」と「補填」と「補充」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「補完(ほかん)」の意味とは?
「補完」とは、「不十分なところを補って、完全なものにすること」を意味する言葉です。
「完全」や「完璧」の「完」という字が含まれていることからも、ただ補うだけだなく、「補って完全な状態にする」という意味合いを持っています。
「補完」を使った例文
・『これまでの失敗を分析して、チームの弱点の補完を試みる』
・『彼と彼女は性格が全く違うが、うまい具合に互いを補完し合っている』
・『新体制移行後に露見した不備を補完する必要がある』
・『このサブストーリーは、本編では語られなかった部分を補完している』
「補填(ほてん)」の意味とは?
「補填」とは、「不足を補うこと」、「欠損を満たすこと」を意味する言葉です。
「補填」の「填」という字は、「ふさぐ」や「うずめる」、「みたす」という意味を持ちます。
また、文字の順序を入れ替えた「填補(てんぽ)」とは同義語ですが、一般的には「補填」が使われ、「填補」は保険会社の専門用語として使われています。
「補填」を使った例文
・『前年度の赤字を補填するために、何か対策を練らなければならない』
・『証券会社のシステム障害によって発生した顧客の損失補填を巡って、議論が交わされている』
・『職場の消耗品の在庫がなくなってきたので、補填を申請する』
・『医療費について、補填に利用できる制度がないか調べてみる』
「補充(ほじゅう)」の意味とは?
「補充」とは、「不足しているものを補うこと」を意味する言葉です。
「補充」の「充」という字は、「みちる」や「いっぱいになる」という意味が含まれ、「充(み)たす」や「充(あ)てる」とも書きます。
「補充」を使った例文
・『先月、辞めてしまったスタッフの人数分、欠員を補充する必要がある』
・『当欠の作業員が多すぎるため、近くの営業所に人員の補充を依頼した』
・『ドリンクサーバーの残りが減っていたので、補充をしておいた』
・『思ったより売れ行きが良いため、新商品を補充しておく』
「補完」と「補填」と「補充」の違い
「補填」も「補充」も「不足分を補う」という意味では、ほとんど同義語になります。
しかし、「補充」は、「充」という字が「人」を表した会意文字であることから、おもに「人を補う場合」に用いられます。
一方、「補填」はおもに「不足分を物で補う場合」に用いられます。
「補完」は、「補填」や「補充」のようにただ補うだけではなく、「補って、完全な状態にする」という意味合いがポイントとなります。
まとめ
・「補完」とは、「不十分なところを補って、完全なものにすること」を意味する言葉です。
・「補填」とは、「不足を補うこと」、「欠損を満たすこと」を意味する言葉です。
・「補充」とは、「不足しているものを補うこと」を意味する言葉です。