会社もある程度大きくなると、他の会社を下においたり、外部の企業に業務の一部を発注することが増えてきます。
「子会社」と「下請け」はどちらも下の立場の企業で同じものと考えている人もいますが、実際には関係がありません。
この記事では、「子会社」と「下請け」の違いを分かりやすく説明していきます。
「子会社」とは?
「子会社」とは、財務や事業の方針を別の会社に支配されている会社のことです。
例えば経営難に陥った会社を別の企業が買収し、資金を提供する代わりにお金を出した企業の業務に協力させた場合、経営難の会社は「子会社」になったと言えます。
ただし「子会社」は財務や経営方針を支配している親会社と同じ、あるいは関連する業務をしているとは限りません。
企業が新しい事業を始めるにあたり、企業が資金を出して新しい会社を設立させた場合、その新しい会社は「子会社」ですが、取り扱う業務は別物になります。
このように親会社と「子会社」は財務や営業や事業の方針を支配しているかどうかの関係性だけで、親会社の仕事に役立っているかどうかは、「子会社」かどうかと一切関係ありません。
「下請け」とは?
「下請け」は仕事を依頼された元請けから、その仕事の一部、あるいは全部を請け負った会社です。
例えば車を製造する工場があるとして、その車に使うパーツの製造を別の会社に依頼していたら、そのパーツを製造する会社が「下請け」になります。
「下請け」は元請けの「子会社」である場合も少なからずありますが、必ずしもそういった上下関係があるとは限りません。
外部の会社に仕事の一部を依頼した場合は「外注」と言われますが、その外注をした先も「下請け」にあたります。
この場合、仕事を発注した会社と元請けが対等な立場なのと同じく、元請けから仕事を請けた「下請け」も対等な立場であることも多いです。
「子会社」と「下請け」の違い
「子会社」と「下請け」の違いを、分かりやすく解説します。
一言で説明してしまえば、「子会社」は経営的な意味で下に付いている会社であり、「下請け」は業務的な意味で下にある会社です。
「子会社」は親会社から資金と経営への口を出されています。
親会社が請けている仕事の一部を回されていることもありますが、全く関係ない仕事をしていることもあり、財務や経営方針を握られていれば、仕事の内容と関係なく「子会社」です。
「下請け」は元請けが請けた仕事を完遂させるために、その一部を請け負わせた会社です。
元請けから仕事を請けているだけで、必ずしも「下請け」が下の立場とは限らず、元請けには「下請け」の経営に口出しする権利もありません。
まとめ
「下請け」の仕事をさせるために「子会社」を用意する会社もあるので、「子会社」であり「下請け」でもある会社も多いです。
ですが全部の「下請け」が「子会社」というわけではないので、「下請け」をさせている会社だからと「子会社」扱いをすると、間違いなく問題が起こるでしょう。