この記事では、「案件」と「事象」と「事案」の違いを分かりやすく説明していきます。
「案件」とは?
会社などで取り扱う対象となっている事柄のことで、対処すべき問題なども含まれています。
また、訴訟事件のことも案件といいます。
取り扱う対象の事柄としては、現在対処(調査や審議)している問題だけでなく、今後対処(調査や審議)すべき事態になるであろう問題も指します。
「求人案件」「先日とりあげた案件」などの用途があります。
「ユーチューバーの企業案件」という言葉では対象のユーチューバーに企業から自社商品やサービスを紹介してもらうことを指し、企業からの依頼がポイントとなっています。
「神案件」という言い回しでは高待遇の求人情報を指しています。
ネット上では「問題」という言葉の代わりに「案件」を使うケースが有り、「残業多すぎ案件」などの使い方があります。
「事象」とは?
いろいろな物事や現象を指し、数学ではサイコロの出目などを始めとして試行の結果起こる事柄を指します。
「警戒事態該当事象発生連絡」「問題事象」など原子力関連で比較的多く使われている言葉ですが、専門用語というわけではありません。
病気になった際に薬を投与して意図しない症状や徴候を見せてしまうことを有害事象といいます。
また、インターネットサービスなどにおいて「ネット予約画面の一部が表示されない事象」について」のようにエラーが発生した際に「問題」という言葉で伝えられる部分を「事象」と表記するケースも見られ、「事象に関するお詫び」という言葉も見られます。
「事案」とは
問題となっている事柄を指し、取り扱い、対処が求められている事柄のことです。
問題視されているという含みがあり、ややネガティブな意味合いで使われます。
「不審者による声掛け事案が発生」という使い方などがわかり易い例で、事件と言うまでは確定的ではないものの、問題のある事柄を指しています。
インターネットスラングでは声掛け事案から発生して見知らぬ状況から声をかけることなど不審に見られる行為を事案というケースも有りました。
「案件」と「事象」と「事案」の違い
「案件」と「事案」は意味合いが近く、ともに対処が求められている事柄を指す言葉ですが案件は「求人案件」や「ユーチューバーの企業案件」など比較的ポジティブな方向でも使えるのに対し、「事案」という言葉は「事件」という言葉に近い使われ方をし、「インターネット・バンキングによる預金の不正送金事案」など、ネガティブな問題を含んだ使い方となります。
ただし訴訟事件の事も案件と言います。
事象は物事や現象、数学では確率にかかわる試行などを指す言葉ですが、こちらはも問題があるという意味合いで使われ、副作用やインターネットの欠陥、原子力関連で発生した悪い事柄などを指すケースが多いです。
まとめ
「案件」と「事象」と「事案」ではどれも対処が必要となるとなる事柄を指す使い方がありますが、事案は警察からの言葉として使われ、事象はインターネットなどで発生した欠陥に使われるなどより深刻な言葉になっています。
案件のみポジティブな使い方が可能です。