極寒の地域で見られることがある「氷河」と「氷山」と「流氷」。
何となくイメージは出来ますが、これら三つに違いはあるのでしょうか。
この記事では、「氷河」と「氷山」と「流氷」の違いを分かりやすく説明していきます。
「氷河」【ひょうが】とは?
「氷河」とは、高山の上層で固まった万年雪が、積雪の圧力に押されて塊になり、低地に流れ下ったものです。
塊と言っても、一つの山ほどの大きさのものもあり、陸地に留まったままのものもあれば、少しずつ動いて海まで流れ出るものもあります。
「氷河」の言葉の使い方
「氷河」は、「河」という字にも表されている通り、山の高い所から海までの間の陸地に流れて存在します。
その「河」の部分が「氷」で出来ているのが「氷河」です。
大き過ぎて変化がわかりにくいですが、積雪により大きく成長し続けているもの、溶けて小さくなっているものもあり、日々変化しています。
「氷山」【ひょうざん】とは?
「氷山」とは、「氷河」などの一部が上層からの雪に押し出されて海に流れ出たり、崩落によって塊となって海に落ちて浮かんでいるもののことです。
「氷山」の言葉の使い方
「氷山」の海面上に見えている部分は、さほど大きくないように見えます。
しかし、実際に見えている部分は全体の1割とも言われ、海面下には残りの9割の大きさの「氷山」が隠れています。
そのことに例えて、実際に見えている部分の一部のことを表現する時に、「氷山の一角」という言い方をします。
「流氷」【りゅうひょう】とは?
「流氷」とは、凍った海面が割れて、風や海流によって海上を漂流するものです。
海上に浮いている点では「氷山」と同じですが、「流氷」は、氷結した海面が割れて海上を漂うものです。
「流氷」の言葉の使い方
海に浮いて流れているのだから「氷山」も「流氷」として見られがちですが、気象庁ではしっかり区別しています。
海に浮かぶ氷の総称を「海氷」(国際的には海水が凍結したもの)と言っており、「海氷」のうち岸に定着していないものを「流氷」としています。
「氷河」と「氷山」と「流氷」の違い
「氷河」は、積雪の圧力により固められた雪の塊が「陸地」にあるものです。
「氷山」は、「氷河」の一部が「海に流れ出たり、落ちて浮いている」ものです。
「流氷」は、「氷結した海面が割れて、海上を漂流」しているものです。
ですから、「流氷」は「海水由来」のものであり、「氷山」などの「淡水由来」のものとは区別されます。
まとめ
「氷河」と「氷山」と「流氷」の違いについて述べてきましたが、理解して頂けましたでしょうか。
これらの言葉は、近年では地球温暖化のニュースなどで耳にすることも多いかと思います。
南極や北極の氷が地球温暖化の影響で溶けて、「氷河」や「氷山」が年々小さくなっていたり、「流氷」が減っていたりといったニュースを耳にします。
この記事をみて、地球温暖化についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。