「何かを補うこと」を表すときに、「補足」か「補充」か「補完」かで迷った経験はないでしょうか?
いずれも同じような言葉に感じますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「補足」と「補充」と「補完」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「補足(ほそく)」の意味とは?
「補足」とは「不足しているところを付け足して、補うこと」を意味する言葉です。
「補足」は、「人」や「物」ではなく、基本的に「話」、「文書」などを対象に用いられます。
「補足」を使った例文
・『資料だけでは分かりづらいので、補足で説明をする』
・『補足事項にも目を通しておくように注意する』
・『言葉足らずとの苦情を受けて、補足資料を作成する』
・『念のため、補足情報も掲載しておくようにする』
「補充(ほじゅう)」の意味とは?
「補充」とは、「不足しているものを補うこと」を意味する言葉です。
「充(み)たす」という字が含まれていることからも、「既定の数や量になるように補う」という意味合いを持っています。
また、「充」は「人」を表す会意文字であるため、おもに「人を補うとき」に使用されます。
「補充」を使った例文
・『欠員となった分の作業員の補充が必要となる』
・『メンバーの補充をしなければ、イベントに支障をきたす』
・『複合機の印刷用紙がなくなったので、補充をしておいた』
・『高速道路に入る前に、ガソリンを補充しておきたい』
「補完(ほかん)」の意味とは?
「補完」とは、「不十分なところを補って、完全なものにすること」を意味する言葉です。
「完」という字が含まれていることから、「補って完全な状態にする」という意味合いがポイントです。
「補完」を使った例文
・『欠点を補完するためには、自己分析が重要となる』
・『再度に渡って検証を繰り返し、新システムの不備を補完した』
・『作者の逝去で未完となった名作は、別の作者によって補完された』
・『お互いに足りないものを補い合う関係を相互補完と呼ぶ』
「補足」と「補充」と「補完」
「補足」は、「不足している部分を後から付け足して補う」という意味合いを持ち、基本的に説明などの「話」や、資料などの「文書」を対象に用いられます。
「補充」は、「既定の数や量を充たすように、不足している部分を補う」をいう意味合いを持ち、おもに「人を補うとき」に用いられます。
「補完」は、「不足している部分を補い、完全な状態にする」という意味合いを持ち、様々な対象に用いられます。
まとめ
・「補足」とは「不足しているところを付け足して、補うこと」を意味する言葉です。
・「補充」とは、「不足しているものを補うこと」を意味する言葉です。
・「補完」とは、「不十分なところを補って、完全なものにすること」を意味する言葉です。
「補足」は「話」や「文書」を対象に用いられ、「補充」はおもに「人を補うとき」に用いられることが多いようです。