皆さんは「複写」と「転写」と「複製」という言葉を聞いたり見ることがあるかと思いますが、これらの言葉の意味にどのような違いがあるかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「複写」と「転写」と「複製」の違いを分かりやすく説明していきます。
「複写」とは?
「複写」は「ふくしゃ」という読み方になります。
意味としては「文書や絵画などをオリジナル通りに写し取ること」「写し」「コピー」の他に、「同じもの」や「文書を2枚以上いっしょに写す」という解釈をすることができます。
「複写」の例文
「複写」の例文は次の通りです。
・『会議の前に書類を複写して配っておく』
・『思い出の写真を複写した』
上記の例文では「コピーする」という意味合いで使われることが理解できます。
「転写」とは?
「てんしゃ」という読み方をする「転写」は、「文章や図などを他に写し取ったり、書き写すこと」を指しています。
「転写」の例文
・『原板に転写した』
・『DNAから転写された情報』
「転写」の例文を挙げて見ましたが、文・図だけでなく生物学でDNAなどで使われることも少なくありません。
「複製」とは
「ふくせい」と読む「複製」は、「美術品などをオリジナル(原作)の通りに再現すること」や「そうした作品・もの」という意味があります。
尚、著作権法でも「著作物を印刷・写真・複写・録音・録画などの方法で他の形に再製すること」と定め誰ているのです。
「複製」の例文
「複製」の例文は次の通りです。
・『この絵は複製品だよ』
・『マスターキーを複写してスペアキーを作った』
「複写」と「転写」と「複製」の違い
では、ここで「複写」と「転写」と「複製」の違いを整理してみましょう。
まず「転写」と「複製」の違いから見ると、「転写」は「他の書籍や図などから写し取ること」という意味を持ち、「複製」は「ある物にもとにして同じような物を作る」、あるいは「そのように作られたもの」という意味を持っています。
言いかえると、「転写」は「書面などのような平面のこのを紙にコピーする」ニュアンスがあり、「複製」は平面だけでなく、「立体的な書物・像なども同じものを作ること」意味合いが含まれています。
「複写」と「複製」を比較してみると、「複写」は、「立体物から抽象的なものまで対象が幅広く、「コピーする」という印象があります。
特に「コピー」は、複写機などの機械で写すことが多くオフィスでは当たり前の仕事の光景が浮かんできます。
一方の 「複製」は「本物にそっくりに作る」という解釈があり、絵画・美術品などで用いられています。
まとめ
ここまで「複写」「転写」「複製」の意味や違いを説明してきました。
どの言葉を見ても「写す」という意味合いを持っているために非常に似通った解釈に思われますが、意味が異なっているので、これを機に正確に理解しておいてください。
特に「複製」などは著作権に大きく関わる言葉なので、知っておくと便利です。