周囲に何かを知らせる時に用いられる「通達」と「通告」と「告知」という三つの言葉。
似たような場面で使われているこれらの言葉ですが、果たして違いはどこにあるのでしょうか。
実際に使う際迷わないように、この記事では、「通達」と「通告」と「告知」の違いを分かりやすく説明していきます。
「通達」【つうたつ】とは?
「通達」とは、告げ知らせること、上級機関が所管の機関職員に対して発する通知という意味です。
「立場の上の人が下の立場の人に」対して出す知らせです。
そして「通達」には、「指示」というような意味合いもあることから、従わなければいけないというのが原則です。
まだ検討中のことを連絡するというよりは、決定事項を連絡するという意味合いの言葉です。
連絡手段は、主に「文書」になります。
「通達」の例文
・『人事異動の通達が来た』
・『機密保持の為、工場内での携帯電話使用禁止の通達が回された』
「通告」【つうこく】とは?
「通告」とは、告げ知らせるという意味です。
そして、連絡事項を知らせるという意味合いもありますが、「決定事項を特定の個人に」対して知らせるという意味の言葉です。
ですから、強制力の強い言葉になり、基本的に「通告」には従わなくてはいけません。
一般的に「通告」の内容は、「通告」を受ける側にとっては良くないものであり、受け入れ難いものでもありますが、いわば「命令」のような意味もある為、従わなくてはいけません。
連絡手段は、「文書」だったり「口頭」だったりします。
「通告」の例文
・『今までチームのために頑張ってきたつもりだったが、戦力外通告を受けた』
・『納税するよう通告を受けた』
「告知」【こくち】とは?
「告知」とは、読んで字の如く、告げ知らせるという意味です。
必要事項や知らせたいことを、周囲または個人に知らせることです。
「命令」や「指示」というような強制力はないので、「告知」を受けたからと言って、受けた側が今すぐ何かしなくてはいけないものではありません。
連絡手段は、主に「口頭」になります。
「告知」の例文
・『がんの告知を受けた』
・『バラエティ番組に珍しく有名女優が出てると思ったら、早速新しいドラマの告知を始めた』
「通達」と「通告」と「告知」の違い
「通達」は、「立場の上から下への指示」という意味合いの言葉です。
連絡手段は、主に「文書」になります。
「通告」は、「特定の個人に対する命令」というような意味です。
連絡手段は、「文書」だったり「口頭」だったりします。
「告知」は、「周囲や個人に対する連絡」という意味合いです。
連絡手段は、主に「口頭」になります。
まとめ
「通達」と「通告」と「告知」の違いを述べてきましたが、理解して頂けましたでしょうか。
日々、様々な場所でたくさんのお知らせを耳にする機会がありますが、是非、良いお知らせの多い世の中になってほしいものです。