普段の生活において、自分以外の人と一緒にどこかに行ったり、行動することはよくあります。
そのことを表す言葉として日常会話ではあまり使うことはないのですが、書かれた文章において使用されるとぐっと締まる言葉が3つあります。
この記事では、そんな「帯同」と「同行」と「随行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「帯同」とは?
「帯同」というのは、「行動するに当たって、単純に誰かを一緒に連れてゆく」という意味です。
「帯」というのが「携帯」で使われるように「身に着ける」という意味や、「世帯」のように「従属させる」という意味で、「同」は「同棲」、「同乗」という使われ方に見られるように「何かを共にする」という意味なので、結局は最初に述べた様な意味になります。
英語では「accompany」が一番近いでしょう。
航空機への搭乗時に「小さいお子様をお連れの方」という意味で「accompany small children」とアナウンスされますが、この時もただ単純に「連れている」という意味になります。
「同行」とは?
「同行」とは、「誰かを伴って行動する」という意味です。
「同」は前述のように「共にする」で、「行」は文字通り「行動する」という意味ですから合わせると「誰かを伴って行動する」ということになります。
「英語では用法から「escort」が一番近いと考えられます。
「随行」とは?
「随行」とは、「隋」は「伴う」で、「行」は「行動する」ですから、「誰かに伴って行動する」という意味になるのですが、「隋」には「目上の者に伴って」というニュアンスが付加されることが多いので、実際には「目上の人に伴って行動する」と言い換えても良いでしょう。
英語で言えば「attend」が近いでしょうか。
「帯同」と「同行」と「随行」の違い
日本語の意味として、この3つの言葉の違いを明確にするのは難しいので、ここではそれぞれの項目で述べた英語を基準にして解説してみましょう。
「accompany」は「一緒に」のニュアンスが強く、相手との間に上下関係はあまり感じられません。
それに対して、「escort」は、「美女をエスコートしてパーティ会場に入った」というように形式的な上下関係としては相手が上だが、自分の能力で相手を助けてあげるという様なニュアンスが現れてきます。
「attend」はキャビンアテンダントという言葉にも現れているよう、主となるのは相手(航空機だとお客様)の方で、その人をサポートするために一緒に行くというニュアンスになります。
まとめ
この記事では、主にかしこまった文章中で使用される「帯同」と「同行」と「随行」の違いについて解説しました。
今回行ったように、言葉の意味を把握するのが字面だけでは難しいときに、一番しっくりくる英語訳の言葉を見つけることによって、逆に日本語の意味を明確に炙り出すことができる場合があります。
他にもこのような場面に直面した場合は英語に置き換えることも手段としては考えてみても良いでしょう。