「教養」「教育」「学力」これらの単語は日常生活でよく目にする言葉です。
文字としてはよく似ていますが、全く意味合いの異なる言葉です。
この記事では、「教養」と「教育」と「学力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「教養」とは?
「教養」とは勉強や知識をしっかりと身につけることによって養われる、心の豊かさを意味します。
単純に「教養」=「知識」とする場合もありますが、本来の使われ方は知識を身につけた人の精神性を意味します。
人は知識を蓄え、活かすことで品位が向上し、人格が磨かれていきます。
勉強をしただけでは終わらず、正しい知識を内外に活かし、日常生活を豊かにしていく、その過程が達成できた人を「教養」がある人と呼びます。
例えば受験勉強をしただけでは「教養」が身についたとは言いません。
勉強しながら得た知識を己の物として、自身の生活に活かしてこそ、「教養」と言います。
「教養」の例文
「教育」を使った例文を三文挙げます。
・『隣人は大変「教養」のある人だ。』
・『結婚するなら頭でっかちな能弁家ではなく、寡黙でも「教養」のある人にしなさい。』と父は言った』
・『あの人はよく勉強しているようだが、「教養」があるとは言い難い。』
「教育」とは?
「教育」とは物事を教えて知能をつけること、という意味です。
原典は古く、古代中国の孔子や孟子の時代に遡ります。
中国古典『孟子』では「教育」とは教え育てることであり、希少な天才を育てることを指していました。
現代では「教育」は学問に限らず、環境に適応できるよう知識を授けたり、体験をさせたりすることを意味しています。
従って、社会に適応するための社会教育、技能を身に着けるための技能教育などと使われます。
「教育」の例文
「教育」を使った例文を三文挙げます。
・『彼は進学して教員となるための「教育」を受ける。』
・『正しい「教育」こそが子供たちに必要なのです。』
・『義務教育を終えたなら、本人の責任で行動すべきだ。』
「学力」とは
「学力」とは習い覚え、身に着けた知識によって養われた力、という意味です。
学校教育の場であれば勉強して会得した人間的能力を指します。
例えば九九を教わり、覚えた子供には計算する「学力」が身につきます。
勉強した結果に得た力が「学力」です。
「学力」の例文
「学力」を使った例文を三文挙げます。
・『今度の試験で君の学力を審査する。』
・『一定以上の「学力」が無ければ、高校進学は難しい。』
・『就職活動は「学力」だけが全てではない。』
「教養」と「教育」と「学力」の違い
「教養」は得た知識により身につけた心の豊かさを指し、「教育」は教え育てること、「学力」は学んで得た力を意味します。
三つの言葉を時系列に並べると「教育」した結果、「学力」が上がり、「教養」が身についた、となります。
まとめ
「教養」「教育」「学力」の3つの言葉は似て非なる意味を持ちます。
とりわけ「教養」と「学力」の違いをよく理解しておく必要があるでしょう。
二つの言葉は間違った使い方をするとマナー違反になる場合もあるので、注意が必要です。