この記事では、「幻覚」と「幻影」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「幻覚」とは?
幻を目にしている状態を「幻覚」【げんかく】といいます。
「幻覚症状」といえば、実際にはそこにいないものがいるように見える症状を指すのです。
物体こそなくとも、自分には物の感覚だけは感じる知覚により実際にあるように見えたり、声がするといった現象を感じてしまいます。
とくに、レビー小体型認知症の人に多く見られる症状であり、色がはっきりした生き物が動くさまを見るのです。
「幻影」とは?
実際にはいないのに、いるように見えることを「幻影」【げんえい】といいます。
幻ではあるのに、まるで本当にそこにいるかのように見えるさまを指すのです。
例えば、自分を襲ってくる動物がいるように見えたので、その足を鋭い刀で切ってもまだ存在するように見えてしまいます。
このような症状が表れる原因には、感覚の錯誤が生じるからです。
「幻覚」と「幻影」の違い
ここでは「幻覚」と「幻影」の違いを、分かりやすく解説します。
そこに人や動物はいないのに、背後に誰かが立っていると感じたり、話しかけてくるといった症状を感じることを「幻覚」といいます。
このように感じる人は、目の前を人が歩いて行った、横切ったという現象を感じて怯えたり、驚くのです。
もう一方の「幻影」は、目の前にいるはずがない生き物が感覚の錯誤により、本当に存在するかのように見える症状を指します。
このような症状に「日々、幻影に苦しむ」という言い方をするわけです。
「幻覚」の例文
・『死んだ姉が目の前を通り過ぎると、ドアから出て行く幻覚を見た』
・『目の前に小さな男が現れて、手招きする幻覚に悩まされた』
「幻影」の例文
・『子供の頃に虐めていた飼い犬の幻影に怯える』
・『他界した妻の幻影が枕元に立ち、恐怖で眠れない』
まとめ
「幻」を使っていますが、「覚」と「影」の違いによりまた使い方が異なります。
どういった症状が起こるのかに注目して、うまく使ってみましょう。