「栄枯盛衰」と「驕れるものも久しからず」はいずれも物事の繁栄や衰退に関連する言葉ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「栄枯盛衰」と「驕れるものも久しからず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「栄枯盛衰」とは?
「栄枯盛衰」は「えいこせいすい」と読む四字熟語で、「栄えたり衰えたりする様子」「繁栄や衰退を繰り返すこと」を示します。
一時期は栄華を極めるものの、のちに衰えたり絶滅したりした国家や組織、生物などの盛衰の動きを表現する際に用いられることが多い言葉です。
「驕れるものも久しからず」とは?
「驕れるものも久しからず」は「おごれるものもひさしからず」と読む言葉で、「権力や富などを盾にして威張っているような者は遠くない将来に没落するものである」という意味を持っています。
「平家物語」の冒頭に書かれた一文が由来となり、「おごる平家は久しからず」と表されることもあります。
「栄枯盛衰」と「驕れるものも久しからず」の違い
次に、「栄枯盛衰」と「驕れるものも久しからず」の違いを分かりやすく解説します。
「栄枯盛衰」は「栄えることと衰えること」「繁栄と衰退を繰り返すこと」といった意味があり、国家や組織、生物のほか情勢に対して使用されることもあります。
一方、「驕れるものも久しからず」は「富や権力を振りかざして威張る者はいずれ没落するだろう」という意味を持ち、主に人に対して使用されます。
「栄枯盛衰」の例文
「栄枯盛衰」は「繁栄や衰退」「栄えたり衰えたりを繰り返すこと」を示す言葉で、国家、組織、生物などの衰退の様子や、情勢を表現する際に用いられます。
また、不調で落ち込んでいる人に対して「いつか持ち直す」という励ましの意味で使用されることもあります。
反対に、調子が上向きの人に使うと「いつか不調が訪れる」という意味合いになるため注意が必要です。
・『長い歴史を持つ老舗にも栄枯盛衰のストーリーがあるものだ』
・『栄枯盛衰が世の常なので、また状況は好転するだろう』
「驕れるものも久しからず」の例文
「驕れるものも久しからず」は「驕り高ぶれるような状態は長くは続かない」ことを示す言葉です。
「傲慢な振る舞いはいずれ自分を不幸にする」という戒めの意味合いで使用されることもあります。
・『業界のトップに君臨していたA社は不祥事のもみ消しが続いたことで倒産となった、まさに驕るものも久しからずだ』
・『驕れるものも久しからずなので、好調な状態でも傲慢にならないことが重要である』
まとめ
「栄枯盛衰」は「繁栄と衰退」を示し、「驕れるものも久しからず」は「富や権力を振りかざして威張る者はいずれ没落すること」を示します。
両者の意味を正しく理解して、状況に応じて使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力向上に役立ててください。