この記事では、「取り巻く」と「巡らす」の違いを分かりやすく説明していきます。
「取り巻く」とは?
中心となるものの周りに位置することです。
その中心に向かって気に入るように振る舞ったり、影響を与えたりすることも含まれます。
例えば、首相は報道陣に取り巻かれたという文では、報道陣が首相に近づいて質問したり写真を撮ったりする様子が表されます。
また、島を取り巻く紺碧の海という文では、海が島を包み込むように囲んでいる様子が表されます。
「取り巻く」の類語には「囲む」「囲み込む」「包む」などがあります。
「巡らす」とは?
ぐるっと回るという意味合いを帯び、周囲に沿って配置するような感じを表します。
例えば、周囲に高い塀を巡らした立派な家という文では、塀が家の周りを一周している様子が表されます。
また、思いを巡らすという表現では、あれこれと心を働かせる様子が表されます。
「巡らす」の類語には「回す」「回転させる」「ふれまわって知らせる」などがあります。
「取り巻く」と「巡らす」の違い
「取り巻く」と「巡らす」の違いを、分かりやすく解説します。
「取り巻く」は、中心に向かうという意識が強い言葉です。
何かを囲んで守ったり、注目したりするときに使います。
その一方で、「巡らす」は、ぐるっと回るという意味合いを帯びた言葉です。
何かを回転させたり、周囲に配置したりするときに使います。
「取り巻く」の例文
・『日本を取り巻く環境は変化している』
・『彼はファンに取り巻かれていた』
「巡らす」の例文
・『彼は金儲けに頭を巡らす』
・『彼女への思いを巡らせた』
まとめ
「取り巻く」と「巡らす」は似た意味を持つ動詞ですが、使い方に違いがあります。
「取り巻く」は、周囲に何かがある状態を表します。
その一方で、「巡らす」は、周囲に何かを配置する動作や、回転させる動作を表します。
また、「巡らす」には、心や目などを動かすという意味もあります。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。