この記事では、「語り部」と「落語家」の違いを分かりやすく説明していきます。
「語り部」とは?
昔から語り伝えられる昔話、民話、神話、歴史などを現代に語り継いでいる人を指していう言葉です。
語り部は、文字による記録が発達していなかった時代の文化や伝統を口承で保存し、後世に伝える役割を担ってきました。
古代の日本においては、品部の職業部として置かれた職掌であったとされます。
「落語家」とは?
落語を演じることを職業とする人です。
落語とは、おもしろおかしい話で聴衆を笑わせ、終わりに「落ち」(サゲと言います)をつける話芸です。
落語家は、扇子と手ぬぐいだけを小道具にして、会話と動作のみで話を展開していきます。
言葉だけで観客を物語世界へいざなうという、非常に高度な技術・話術が必要で、落語家として一人前になる(江戸落語では「真打ち」と呼ばれます)には、師匠について長い年月をかけて下積みや修業を重ねる必要があります。
「語り部」と「落語家」の違い
「語り部」と「落語家」の違いを、分かりやすく解説します。
「語り部」は、昔話や歴史などを現代に語り継ぐ人を指します。
語り部は、自分の体験や知識をもとに、聞き手に物語を伝えます。
その一方で、「落語家」は、落語を演じることを職業とする人を指します。
落語は、登場する人物に落語家がなりきり、会話を中心に物語を進行していく芸能です。
「語り部」の例文
・『彼は広島の被爆者として、平和の大切さを語り部として伝えている』
・『この村には昔から語り部がいて、神話や伝説を子孫に語り継いできた』
「落語家」の例文
・『彼女は女性の落語家として活躍し、テレビやラジオにも出演している』
・『彼は日本を代表する落語家で、多くの弟子を育てた』
まとめ
「語り部」と「落語家」はどちらも話をする人という意味で似ていますが、違いがあります。
語り部は、古代に神話や歴史や伝承などを口伝で伝えていた人や、現代では自分の体験や地域の歴史などを語る人を指します。
落語家は、落語という日本の伝統的な喜劇を演じることを職業とする人を指します。
それぞれの言葉を正しく使い分けるようにしましょう。