この記事では、「まばら」と「散らばった」の違いを分かりやすく説明していきます。
「まばら」とは?
物が少なくて間がすいているさま、または順序だっていないさまを表します。
例えば、「人通りもまばらな住宅街」や「わづか二百騎あまりに打ちなされ、沖へまばらにざっと引く」などのように使われます。
この言葉には、物の密度や配置に関する客観的な描写が含まれますが、それに対する主観的な感情や評価は含まれません。
「散らばった」とは?
あちこちに分かれてしまって広い範囲に存在するさま、または一ケ所にまとまっていたものがバラバラに広がるさまを表します。
例えば、「全国に散らばる卒業生」や「部屋じゅうに散らばった本」などのように使われます。
この言葉には、「まばら」に比べて、物の分散や拡散に関する動的な描写が含まれます。
また、それに対する主観的な感情や評価も含まれることがあります。
「まばら」と「散らばった」の違い
「まばら」と「散らばった」の違いを、分かりやすく解説します。
「まばら」と「散らばった」は、似たような意味を持つ言葉ですが、ニュアンスに違いがあります。
一般的に、「まばら」は、もともと物が少ない状態や順序がない状態を表すのに対して、「散らばった」は、もともと物が多かったりまとまっていたりしたものが分散した状態を表すのに使われます。
また、「まばら」は、形容動詞として形容詞的にも副詞的にも使えますが、「散らばった」は、動詞の過去形として主に形容詞的に使われます。
「まばら」の例文
・『まばらに並んだ本は、どれも面白そうだ』
・『この地域にしては、珍しくまばらな雪が降った』
「散らばった」の例文
・『彼は散らばったガラスの破片を、一箇所に集めた』
・『散らばった星が綺麗に見えた』
まとめ
「まばら」と「散らばった」は、共に物が少なくて間が空いている状態を表す言葉ですが、ニュアンスや使い方には違いがあります。
「まばら」は、形容動詞で、「物が少なくて、間がすいているさま。
すきまのあいているさま」という意味です。
その一方で、「散らばった」は、動詞「散らばる」の過去形で、「あちこちに分かれてしまって広い範囲に存在する」という意味です。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。