この記事では、「歩み寄る」と「折り合いをつける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「歩み寄る」とは?
お互いの利害や損得が衝突する場面で、互いに譲歩して一致点を探すことを指します。
距離を置いて立っていた二人がお互いに歩を進めて、距離を縮めるさまを想像すれば、利害関係のギャップを埋める様子をイメージしやすいでしょう。
例えば、「意見が食い違うこともあるでしょうが、プロジェクトを円滑に進めるには、両社の歩み寄りが必要だと思います」というように使えます。
「折り合いをつける」とは?
交渉や調整の相手と双方が納得できる妥協点を定めることを指します。
それぞれが満足感を得ている可能性もあれば、不満を抱いている可能性もあるというあいまいさを含む言葉です。
例えば、「取引先との交渉は概ね折り合いがついた」というように使えます。
「歩み寄る」と「折り合いをつける」の違い
「歩み寄る」と「折り合いをつける」の違いを、分かりやすく解説します。
「歩み寄る」と「折り合いをつける」の違いは、前者は互いに譲歩することに重点が置かれているのに対し、後者は結果として双方が納得できることに重点が置かれているという点です。
また、前者はお互いにメリットがあるように持っていく作業であるのに対し、後者は不本意な部分もあるが事態を帰着させる雰囲気があるという点でも異なります。
「歩み寄る」の例文
・『予算の問題で意見が対立していたが、プロジェクトの成功のために歩み寄る必要があると考えた』
・『両親は離婚の危機にあったが、子どものために歩み寄る決心をした』
「折り合いをつける」の例文
・『夫婦仲が悪化していたが、なんとか折り合いをつけて暮らしている』
・『取引先との交渉は難航したが、ようやく折り合いがついた』
まとめ
「歩み寄る」と「折り合いをつける」は、どちらもお互いの利害や主張を調整するという意味で使える言葉ですが、ニュアンスに違いがあります。
「歩み寄る」は、お互いに一歩ずつ譲って、合意点を探すことを表します。
その一方で、「折り合いをつける」は、双方が納得できる妥協点を定めることを表しますが、あいまいさを含んでいるので、不本意な部分や強引な部分を隠すことも可能です。