「完遂」と「貫徹」は同じような意味を持つと思われがちですが、細かな意味合いが異なるため場面に応じて使い分ける必要があります。
この記事では、「完遂」と「貫徹」の違いを分かりやすく説明していきます。
「完遂」とは?
「完遂」は「かんすい」と読む言葉で、「特定の目標や行為などを最後まで終わらせること」もしくは上記のような状態を意味します。
漢字の「完」には「欠けた部分がない」「まっとうする」といった意味があり、「遂」には「なしとげる」「ついに」などの意味が含まれています。
「貫徹」とは?
「貫徹」は「かんてつ」と読み、「考え方や意志、方針などをつらぬき通すこと」「途中でくじけずに最後まで続けること」を意味する言葉です。
「貫」は「つらぬく」「やり通す」などを表し、「徹」は「とおす」「つらぬきとおす」といった意を示します。
「完遂」と「貫徹」の違い
「完遂」と「貫徹」の違いを分かりやすく解説します。
「完遂」は「物事を最後まで終わらせること」を意味し、計画や目標、仕事、学習などを予定通りに終了させたり、完全に成し遂げたりする際に使用します。
一方、「貫徹」は「自分の意思や方針などを最後までつらぬき通すこと」という意味合いが強く、自分の考えや方針を最後まで守り抜くような場面で用いられます。
「完遂」の例文
「完遂」は「〜を完遂する」「〜を完遂した」のように使用します。
やや改まった印象があるので、日常生活で用いる機会は少ないかもしれません。
・『今月末までにこの業務を完遂する必要がある』
・『困難と思われた事業をついに完遂した』
「貫徹」の例文
「貫徹」は「貫徹する」のように使うのが一般的ですが、ややかしこまった言葉のためフォーマルやビジネスシーンで用いられることが多いといえます。
なお、最初に決めた志や目標などを最後までつらぬき通すことを「初志貫徹」といいます。
・『彼はブレることがなく、いつも自分の意思を貫徹する』
・『彼女はジャーナリスト精神を貫徹し、事件の真相を追求し続けた』
まとめ
「完遂」は「目標や計画などを最後まで終わらせること」を意味し、「貫徹」は「自分の意思や方針などを最後までつらぬき通すこと」を示します。
両者共に前向きで力強い印象のある言葉です。
ぜひ状況に合わせて使い分けてみてください。