この記事では、「余韻」と「情趣」の違いを分かりやすく説明していきます。
「余韻」とは?
音が消えたあとに残る響きや、物事が終わったあとに残る風情や味わいなどを意味する言葉です。
例えば、美しい音楽を聴いたあとに、その音色やメロディーが心に響き続ける感覚や、素晴らしい映画を見たあとに、そのストーリーや登場人物の感情が忘れられない感覚などを「余韻」と言います。
また、詩や小説などの文芸作品においては、言葉に表されていない部分にも読者の想像力や感性を刺激するような趣や魅力があることを「余韻」と言います。
「情趣」とは?
物事に含まれる言葉では言い表せない趣や風情などを意味する言葉です。
例えば、自然の風景や建築物などにおいては、その形や色や光などによって感じる美しさや趣きなどを「情趣」と言います。
また、人間の感情や行動においては、その心の動きや表情やしぐさなどによって感じる気持ちや雰囲気などを「情趣」と言います。
「余韻」と「情趣」の違い
「余韻」と「情趣」の違いを、分かりやすく解説します。
「余韻」は、物事が終わったあとに残るものを表し、うっとりと心地よい詩的なニュアンスがあります。
音や映像などの芸術作品や、詩や小説などの文芸作品に関連することが多く、言葉に表されていない部分にも魅力があることを指します。
その一方で、「情趣」は、物事に含まれるものを表し、深く感じ入る美的なニュアンスがあります。
自然や建築などの風景や、人間の感情や行動などに関連することが多く、言葉では言い表せない趣や風情があることを指します。
「余韻」の例文
・『この詩は言葉の選び方が巧みで、読んだ後に深い余韻を感じる』
・『彼女の歌声は美しく、聴衆はその余韻にしばらく酔いしれた』
「情趣」の例文
・『この小説は江戸時代の情趣をよく表現している』
・『彼は古い家具や絵画に囲まれて暮らし、情趣のある生活を送っている』
まとめ
「余韻」と「情趣」の違いは、前者があとに残る音や事の響きや趣、後者が物事に感じられる趣きや風情という点にあります。
また、前者は主に芸術作品や音楽などに使われることが多く、後者は主に風景や建物、人間関係などに使われることが多いという傾向があります。