この記事では、「無理やり」と「否応なく」の違いを分かりやすく説明していきます。
「無理やり」とは?
筋が通らないことや、相手の嫌がることを強引にするさまを表す言葉です。
例えば、「無理やり笑わせる」「無理やり押し込む」「無理やり食べさせる」などのように使います。
この言葉の語源は、「無理」と「遣り」の合成語で、「無理」は道理から外れていること、「遣り」は何か事をなすことを意味します。
この言葉は、近世頃から使われ始めたとされています。
「否応なく」とは?
良いも悪いも聞かず、選択肢が無い状況を表す言葉です。
例えば、「否応なく引き受ける」「否応なく参加させられる」「否応なく支払う」などのように使います。
この言葉の語源は、「否」と「応」の合成語で、「否」は拒否、「応」は賛同を表します。
この言葉は、当事者の意見は無視して物事を強引に進める際などに使われる言葉になります。
「無理やり」と「否応なく」の違い
「無理やり」と「否応なく」の違いを、分かりやすく解説します。
「無理やり」は、筋が通らないことや、相手の嫌がることを強引にするさまを表す言葉で、主に動作・行動に対して使われます。
その一方で、「否応なく」は、良いも悪いも聞かず、選択肢が無い状況を表す言葉で、主に状態・結果に対して使われます。
「無理やり」の例文
・『無理やりに食べさせられた彼女の料理はまずかった』
・『彼は無理やりに彼女を実家に連れて行った』
「否応なく」の例文
・『否応なく戦争に巻き込まれた民衆は苦しんだ』
・『否応なく変化に対応しなければならない』
まとめ
「無理やり」と「否応なく」の違いは、前者は主体が自分や第三者で、後者は主体が他人や状況であることです。
また、前者は相手の反対や抵抗を無視して、後者は相手の意見や感情を無視していることです。
さらに、前者は自分の利益や目的のために、後者は他人や状況の要求に従っていることです。