この記事では、「なおのこと」と「尚更」の違いを分かりやすく説明していきます。
「なおのこと」とは?
もともとある程度の状態や事情がある上で、それに加えてさらに何かが起こるときに使われる表現です。
例えば、「彼は元々頭が良かったが、勉強もよくしたので、なおのこと成績が良くなった」という文では、「彼は元々頭が良かった」という事実に基づいて、「勉強もよくした」という付加的な要素があることを示しています。
この場合、「なおのこと」は「さらに」「もっと」という意味になります。
また、「なおのこと」は、前の文との対比や反論を表すときにも使われます。
「尚更」とは?
もともとある程度の状態や事情がある上で、それが強まったり、悪化したり、変化したりするときに使われる表現です。
例えば、「風がないので、尚更暑く感じる」という文では、「風がない」という事実に基づいて、「尚更暑く感じる」という程度の増加があることを示しています。
この場合、「尚更」は「いっそう」「ますます」という意味になります。
また、「尚更」は、前の文との因果関係や結果を表すときにも使われます。
「なおのこと」と「尚更」の違い
「なおのこと」と「尚更」の違いを、分かりやすく解説します。
「なおのこと」と「尚更」は、どちらも物事の程度が前よりいっそう進むさまを表す副詞ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
一般的に、「なおのこと」は、前の文や文脈で述べられた事柄に対して、それを強調するか、それに基づいて別の事柄を述べるときに使います。
その一方で、「尚更」は、前の文や文脈で述べられた事柄に対して、それとは反対の結果や感情を表すときに使います。
「なおのこと」の例文
・『この本は初版が売り切れたと聞いて、なおのこと読みたくなった』
・『彼は若くして天才と呼ばれたが、その後も努力を怠らず、なおのこと名声を高めた』
「尚更」の例文
・『彼は自分の非を認めなかったばかりか、逆に私を責めたので、尚更腹が立った』
・『彼女は彼に振られた後、尚更彼への思いが強くなった』
まとめ
「なおのこと」と「尚更」という言葉の意味の違いは、前の文との関係やニュアンスによって異なります。
一般的に、「なおのこと」は、前の文との付加や対比を表し、「尚更」は、前の文との程度や因果を表します。