「他人事」と「無縁」は双方とも自分との関係性についての言葉ですが、それぞれ意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「他人事」と「無縁」の違いを分かりやすく説明していきます。
「他人事」とは?
「他人事」は「ひとごと」と読む言葉で、「他の人に関すること」や「自分には関係がないこと」を意味します。
もともとは「人事」と記されていましたが、「人事(じんじ)」と区別するために「他人事」の表記が支持されるようになったようです。
このため、「たにんごと」と読むのは誤りになります。
「無縁」とは?
「無縁」は「関係がないこと」「縁がないこと」を意味する言葉で、「むえん」と読みます。
また、「血の繋がりがある人や居住地に基づいた縁故関係がないこと」という意味も持っています。
なお、仏教分野では「すべて平等であること」や「前世において仏や菩薩との因縁がないこと」という意味で使われています。
「他人事」と「無縁」の違い
「他人事」も「無縁」も「自分とは関係がないこと」という意味合いを持つ点は共通していますが、以下のような違いがあります。
「他人事」は上記の意味に加えて、「他の人に関すること」という意味も含まれています。
一方、「無縁」は先述した意味の他に、「血縁者や地縁者がいないこと」という意味でも使われます。
「他人事」の例文
「他人事」は、「他人事のような顔」や「他人事とは思えない」などのように使います。
日常生活やビジネスなど多岐にわたる場面で使用される言葉です。
・『自分の仕事に関するミスなのに、彼はまるで他人事のような顔をしている』
・『今日見たニュースは他人事とは思えない』
「無縁」の例文
「無縁」は「〜とは無縁である」「無縁〜」のように使うのが一般的です。
こちらも様々なシーンで使われる言葉です。
・『彼女は真面目なので不祥事とは無縁です』
・『血縁者や継承者がいないお墓のことを無縁墓という』
まとめ
「他人事」と「無縁」は「自分には関係がないこと」という意味合いを持ちますが、「他人事」には「他の人に関すること」という意味、「無縁」には「血縁者や地縁者がいないこと」という意味も含まれています。
両者の意味を理解して、必要に応じて使い分けましょう。