この記事では、「漁(あさ)る」と「貪(むさぼ)る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「漁る」とは?
「漁る」とは、「動物や魚などが獲物やえさなどを探し回る」さまや「漁(りょう)をする」様子などを示す言葉です。
「数多くのものの中から目的のものを見つけ出そうとする」もしくは「どうにかして手に入れようとする」などというニュアンスで用いられており、「物色(ぶっしょく)する」または「捜し求める」などという語句と似たような意味合いで使用されています。
「貪る」とは?
「貪る」とは、「あることを欲深く望む」さまや「際限なくある行為を続ける」様子などを示す言葉です。
「けっして満足することなく求め続ける」もしくは「食欲を隠そうともせずにがつがつ食べる」などという意味合いで用いられている文言で、「強欲な」または「がめつい」などという語句と同じようなニュアンスで用いられています。
「漁る」と「貪る」の違い
「漁る」と「貪る」は、どちらも「あるものを望む」などという意味合いで使われている言葉です。
しかしながら「目的のものを探し回る」などというニュアンスで使われている「漁る」と、「目的にかかわらず何でもかんでも欲しがる」などというニュアンスを含む「貪る」では、双方がもっている意味は異なり、また使われる場面なども同様ではない文言であると言えるでしょう。
「漁る」の例文
・『洋服屋さんの閉店セールでワゴンいっぱいの値下げ商品を漁る』
・『日曜日は神保町の古本屋街で掘出し物を漁る予定です』
「貪る」の例文
・『必要のない余計なスタッフの数が利益を貪るのは目に見えています』
・『彼は空腹のあまり貪るように食事を平(たい)らげました』
まとめ
「漁る」と「貪る」は、どちらも「あるものを欲しがる」などという意味合いで使われている言葉です。
使用する際にはそれぞれの語句がもっている微妙なニュアンスの違いに注意をしながら場面や状況などに応じてうまく使い分けるようにしましょう。