この記事では、「渡す」と「さし出す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「渡す」とは?
「渡す」とは、「船やいかだなどを利用して人や物などを反対岸に運ぶ」さまや「離れている場所と場所をつなげる」様子などを示す言葉です。
「さまざまなものを向こう側に届かせる」または「相手に役立つものなどを与える」などというニュアンスで用いられており、「相手のためにしてあげる」などという意味合いでも使用されています。
「さし出す」とは?
「さし出す」とは、「腕を伸ばして前の方へ出す」さまや「他人にあるものを与える」様子などを示す言葉です。
「提供する」あるいは「提出する」などという意味合いで用いられている文言で、「人に分け与える」ないし「使ってもらうように配る」などというニュアンスで使われている表現です。
「渡す」と「さし出す」の違い
「渡す」と「さし出す」は、どちらも「あるものを相手に与える」などという同じような意味合いで使われている言葉です。
「お金を渡す」および「お金をさし出す」などという同じような使い方ができる一方で、「渡す」がもつ「向こう側まで橋を架ける」などというニュアンスは「さし出す」には含まれておらず、反対に「握手のために手をさし出す」などという使い方は「渡す」という語ではできない、という違いをあげることもできる双方の文言です。
「渡す」の例文
・『城を敵方に明け渡すのはやむを得ない場合の最後の手段です』
・『橋を向こう岸まで渡すとしたら何メートルぐらいになるでしょうか』
「さし出す」の例文
・『誘拐犯に多額の身代金をさし出す必要はありません』
・『お客さんにおしぼりをさし出す習慣は日本独特のサービスと言えます』
まとめ
「渡す」と「さし出す」は、いずれも「相手のためにあるものを与える」などという意味で使われている似たような意味をもつ言葉です。
使用する際にはそれぞれの語句がもっている微妙なニュアンスの違いに注意をしながら上手に使い分けるようにしましょう。