この記事では、「初夜」と「初更」の違いを分かりやすく説明していきます。
「初夜」とは?
一夜のうちに最初にやってくる夜の時間帯を指す言葉を意味します。
現在の午後八時から九時頃に相当するでしょう。
また、その時刻に行なう仏事のことも「初夜」と呼びます。
例えば、お盆の初日に行われる迎え火のことを「初夜の火」と言います。
さらに、「初夜」とは、結婚した夫婦が初めて夜を共にすることも意味します。
「初更」とは?
一夜を五分した最初の時刻を指す言葉を意味します。
現在の午後七時から九時頃に相当するでしょう。
また、午後八時から十時とも言います。
この時間帯は、古代中国の時刻制度で「戌の刻」と呼ばれていました。
日本でも、平安時代から江戸時代にかけて、この制度が用いられていました。
そのため、「初更」は「戌の刻」や「甲夜」とも呼ばれます。
例えば、源氏物語には、「初更の鐘」という言葉が登場します。
これは、平安京の寺院で初更の時刻を知らせるために鳴らされた鐘のことです。
「初夜」と「初更」の違い
「初夜」と「初更」の違いを、分かりやすく解説します。
「初夜」と「初更」は、どちらも夜の時間帯を表す言葉ですが、意味や使い方には違いがあります。
「初夜」と「初更」は、どちらも夜の初めの時間帯を表す言葉ですが、「初夜」は一昼夜を六分した六時の一つで、仏教の用語としても使われます。
その一方で、「初更」は一夜を五分した一更で、仏事の用語としても使われます。
また、「初夜」には新婚の夜という意味もありますが、「初更」にはそのような意味はありません。
「初夜」の例文
・『初夜の時間に、御堂で仏事を実施していた』
・『初夜の鐘が鳴る前に、四つ打ちを聞いた』
「初更」の例文
・『夜初更の刻に、月が雲間から顔を出した』
・『あの事件が起きた時刻は、昨夜の初更頃でございます』
まとめ
「初夜」とは、新婚の夫婦が初めて寝床をともにする夜のことです。
その一方で、「初更」とは、一夜を五分した最初の時刻のことです。
現在の午後七時から九時頃、または午後八時から十時とも言います。
それぞれの言葉を正しく使い分けるように注意しましょう。