この記事では、「涵養」と「醸成」の違いを分かりやすく説明していきます。
「涵養(かんよう)」とは?
「涵養」は「水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること」を意味する言葉です。
「涵」という漢字には「ひたす」や「ひたる」、「うるおう」、「いれる」、「用いる」という意味を含める漢字です。
「涵養」の使い方
「涵養」は名詞としてや、動詞として「涵養する」のように使われています。
「醸成(じょうせい)」とは?
「醸成」は「原料を発酵させて、酒や醤油などをつくること」や「ある状態や気運などを少しずつつくり出すこと」を意味する言葉です。
「醸成」の使い方
「醸成」は名詞としてや、動詞として「醸成する」のように使われています。
「涵養」と「醸成」の違い
「涵養」は主に「養い育てること」を意味する言葉です。
一方、「醸成」は主に「つくりだすこと」を意味する言葉です。
したがって、「読解力を養う」というニュアンスを表す場合、「読解力を涵養する」という表現はされますが、「読解力を醸成する」とは表現されません。
逆に、「有利な状況を少しずつ作っていく」というニュアンスを表す場合、「有利な状況を醸造する」という表現はされても、「有利な状況を涵養する」とは表現されません。
ただし、「信頼関係を育てる」と「信頼関係を作る」のようにニュアンスによっては「涵養」と「醸成」は言い換えが可能であるとも解釈できるでしょう。
「涵養」の例文
・『子どもの持つ豊かな想像力を涵養する』
「醸成する」の例文
・『お酒が醸成される様子を録画した動画を見た』
まとめ
「涵養」は主に「養い育てること」を意味する言葉です。
一方、「醸成」は主に「つくりだすこと」を意味する言葉です。
「育てること」と「つくること」はニュアンスによっては言い換えが可能なので、「涵養」と「醸成」も文脈によっては言い換えが可能であるということでした。